【有笠訪問記】2008年5月

GW、有笠(群馬)に行ってきた。
実は、体調が悪いので、「遠出は控えよう」、と思っていた。
(パンプでも、11−しか登れないし・・・)
しかし直前、M上氏からお誘いメールをいただいた。
「・・・この季節、外岩気持ちいいかな」、と思いなおす。
そんなわけで、急遽出かけることとなった。
詳細は下記のとおり。


5月2日(金曜)曇り時々雨
8:00pm頃大阪出発。
名神〜中央〜長野〜上信越、と乗り継ぎ「上田菅平IC」で降りる、1:00pm。
そこから下道、144号〜292号〜暮坂峠〜有笠、2:00am真夜中到着、車中仮眠。
(下道から雨が降り出す)

5月3日(土曜)曇り
岩場:《フェアリーロック》、登山口から5分の歩きで到着、アプローチ近くで楽しめるエリア。
昨日の雨の影響か、左側の状態はイマイチ、少し濡れている。
「パスファインダー」11b/c★★★、(MOS)「100岩場」には、「とりあえず登っておきたいルート」とある、オススメ。
「夢を見る頃」11a/b★★(MOS)、どっかぶりガバだが、ホールドの選択を誤ると厳しい。
「夢見る頃を過ぎても」11b★(失敗)上記ロングヴァージョン、抜けのホールドを見落とし、フォール。(涙)
・・・この後、「南国エリア」に移動。
岩場:《南国エリア》、フェアリーロックから15分の歩きで到着、10〜12まで有る人気エリア。
             (フェアリーロックから、回り込んですぐの岩は真の「南国エリア」にあらず、さらに奥にある)
「とうりゃんせ」10c★★(F)なかなか面白い内容。ただし、2ピン目セットに失敗するとグランドかも。
「白と黒」11b(F)★★(F)ロングルートでおもしろい。でも、11bにしたら簡単かも。
「出前一丁」12a★(ダメ)核心部が極端に難しい。ボルダー力無いのでムリ、オススメせず。
・・・この後、「先史人のエリア」に移動。
岩場:《先史人のエリア》、南国エリアから15分の歩きで到着、アプローチが悪いので、閑散としている。
「もぐらたたき」5.7★(フォロー)まるっきりアルパイン。トラバースのランナウトなので怖いかも。
「ドラムソング」10d/11a★★★(失敗)ポケットだらけの前傾ルートで面白い。でも、ホールドが欠けてフォール。(涙)
・・・これにて本日終了。
・・・これから宿を探さねばならない、どうしよう?
岩場を下ったところにキャンプ場と有笠山荘がある。
キャンプ場は4〜5千円くらい?
有笠山荘は素泊まりで7,920円、コストパーフォーマンスが激しく低い。
「夕食は予約しておかないと用意できない」、と言われた。
これから他を色々探すのも面倒なので、有笠山荘に決定。
部屋に荷物を置いて、さっそく風呂にはいる。
この後、中之条の町に出て買い出し+晩飯を食べる。
8時頃山荘に戻って、テレビを見て寝る。(疲れた)

(↑有笠山荘)

5月4日(日曜)晴れ
TVサンデーモーニングの大沢親分を見ていたら遅くなった。
(せっかく岩場の近くに宿泊したのに、意味ねーじゃん)
駐車スペースが満杯で、かなり下の方に駐める。
岩場:《ヘルケイブ》、フェアリーロックを経て登山口から20分の歩きで到着、ここも人気の充実エリア。
「始めの一歩」10a★(F)ウォームアップにどうぞ。
「寝ぼすけクラック」10c★(F)さらにウォームアップ。
「Blast−Off」12a★★★(失敗)出だしが濡れていて、ムーブ出来ず。1回のみのトライで次の岩場に移動。
岩場:《アドベンチャーランド》、南国エリア右端の残地ロープから5分の歩きで到着、大混雑。(即、移動したくなった)
「宝探し」10c★★(F)出だしスラブ、後半フェース、楽しめる。
「探検隊」12a★(ダメ)これも「出前一丁」同様、1カ所極端に難しいムーブが出てくる。リーチ必要、イマイチ楽しめず。
「やもめの日々」10d★★(F)けっこう面白かった。スラブ〜フェースでテクニカル。
・・・これにて本日終了。
・・・今日は新しい宿に移動。(昨晩電話にて予約済み)
この宿は中之条の町中にある。どうせ町に買い出しに行くついでが有るので便利。
宿の名前は「柳屋旅館」1泊2食付き¥5,500円、値段も良心的。
外観は江戸時代の旅籠、と言った風情・・・しぶい!
料理もよかった。充実の和食で、おいしい、量も多い。満腹満腹。
さらに言うと、朝食も量が多くて食べきれなかった。頼むと、おにぎりにしてくれた。(親切)
この旅館はオススメだよ。
難を言うなら、風呂が普通の家庭風呂なこと。
温泉にこだわる方は、そのぶん減点かも。

5月5日(月曜)曇りのち雨
「柳屋旅館」の女将さんに見送られ岩場に出発。
岩場:《フロントウォール&偏屈岩》、西口登山道の手前から1分の歩きで到着。
中之条の町では雨が降らなかったが、有笠では降雨があった様子。
道も濡れているし、岩も濡れている。登れる状態にあらず。
乾いていたら、(そこそこ)面白いかも?
岩場:《奥壁》、偏屈岩から30分の登りで到着、アプローチが悪いので、誰もいない。岩の状態は良好。
「フリ師」10c★★(OS)ウォームアップにどうぞ。けっこう面白かった。
「おじゃま虫」11c★★★(OS)トポには「2本指ポケットでおもしろい。クリップに注意」とあるが、1本しか入らなかった。
「まっしぐら」11b★(失敗)出だしハング、核心スローパー、足の位置を間違いフォール。下部はもろいので慎重に。
・・・奥壁はこれにて終了、とする。いったん登山道まで下りる。(途中の偏屈岩は濡れていて、誰もいない)
岩場:《サンダンスエリア》、一般登山道の少し手前のハイキング道から登る、約20分。
岩は大きくて立派、でも雨が降ってきた。岩の状態もよくない。濡れている。
雨がやむのを待っていると、ますます本降りとなる。
「友よさらば」10a★★(F)雨の中を登る。ヌレヌレだけれど、ガバなので登れた。(爽快感まったく無し)
本降りの中を下山、泥道で転けてお尻どろどろ。
・・・これにて本日終了。
・・・今日も新しい宿に移動。(昨晩電話にて予約済み)
この宿は沢渡温泉の中にある。
宿の名前は「とらや旅館」素泊まり¥4,000円。
さっそく温泉に入る。
「切り傷、関節痛、筋肉痛に効能有り」、とのこと。
「ぴったりやんけ!」、と喜ぶ。
温泉は2つある。
ひとつは初級者〜中級者用、といった普通の温度。
もうひとつは『プロ仕様』の熱湯状態。
「こんなん入られるかっ!」、とハジメちゃん。
しかし、『プロ仕様』が気になるのか、トライ開始。
まず、足のみ入湯。
そして、腰。
・・・とうとう首まで。
「う〜う〜お〜お〜」と、鬼のように呻っている。
(この後、私も入湯したが、同じように呻ってしまった)
部屋に戻ると、まんじゅうが置いてある。
手作り、とのこと。素朴な味でうまい!
(素泊まりでも、サービス満点。ちなみに翌朝は炊きたての豆をいただいた)
さて、晩飯。
《手打ちそばマップ》によると、この近くに「よしのや」がある。
石うす挽きのそば&うどん、これは美味い!
今まで食したことのない歯ごたえと味覚だ。(オススメ)
出来れば、うどん、そば両方をトライしてほしい。
・・・疲れたので、早めに就寝。

(↑とらや旅館と沢渡温泉街)

5月6日(火曜)快晴
本日最終日、名残惜しい。
「とらや」の女将さんに見送られ岩場に出発。
岩場:《ヘルケイブ》、フェアリーロックを経て登山口から20分、再度の訪問。
今回は、すべてのルートを1回しかトライしていない。
失敗しても、再度トライRPを試みていない。
(理由はいろいろ)
でも、最後に「Blast−Off」を再トライしたくなった。
岩の状態がよくなっていたら、つながるかも?
出だしのアンダーが乾いていたら登れるかも?、と。
・・・結果を言うと、出だしムーブは解明したが、リップで失敗。
体調万全にあらずして、持久力続かず。
また、次回。

そんなわけで、有笠クライミング終了。
事故もなく、怪我もなく、内容充実でよかった。
帰路は、趣向を変えて、行きと逆方向から。
292号を北へ向かい草津温泉へ。
共同浴場(無料)ですっきり。
草津温泉〜白根山〜志賀高原〜信州中野IC(上信越自動車道)〜北陸自動車道〜米原〜名神〜大阪
高速料金復路トータル9,400円(約9時間)
ちなみに往路中央コース9.300円(約6時間)

【岩場資料】
岩場:《フェアリーロック》、登山口から5分の歩きで到着、アプローチ簡単で楽しめるエリア。
岩場:《南国エリア》、フェアリーロックから15分の歩きで到着、10〜12までそろって人気エリア。
岩場:《先史人のエリア》、南国エリアから15分の歩きで到着、アプローチ悪いので、閑散としていた。
岩場:《ヘルケイブ》、フェアリーロックを経て登山口から20分の歩きで到着、人気の充実エリア。
岩場:《アドベンチャーランド》、南国エリア右端の残地アブミから5分の歩きで到着、人気大混雑。
岩場:《フロントウォール&偏屈岩》、西口登山道の手前から1分。乾いていたら、(そこそこ)面白いかも。
岩場:《奥壁》、偏屈岩から30分の登りで到着、アプローチが悪いので、誰もいなかった。
岩場:《サンダンスエリア》、一般登山道の少し手前のハイキング道から登り、約20分。いい感じ。

【ルート資料】
10.7
「もぐらたたき」5.7★(フォロー)まるっきりアルパイン。トラバースのランナウトなので怖いかも。
10a
「友よさらば」10a★★(F)雨の中を登る。ヌレヌレだけれど、ガバなので登れた。
「始めの一歩」10a★(F)ウォームアップにどうぞ。
10c
「とうりゃんせ」10c★★(F)なかなか面白い内容。ただし、2ピン目セットに失敗するとグランドかも。
「寝ぼすけクラック」10c★(F)さらにウォームアップ用、思ったよりしんどいかも。
「宝探し」10c★★(F)出たしスラブ、後半フェース、楽しめる。
「フリ師」10c★★(OS)ウォームアップにどうぞ。けっこう面白かった。
10d
「やもめの日々」10d★★(F)けっこう面白かった。スラブ〜フェースでテクニカル。
「ドラムソング」10d/11a★★★(失敗)ポケットだらけの前傾ルートで面白い。でも、ホールドが欠けてフォール。(涙)
11a
「夢を見る頃」11a/b★★(MOS)、どっかぶりガバだが、ホールドの選択を誤ると厳しい。
11b
「夢見る頃を過ぎても」11b★(失敗)上記ロングヴァージョン、抜けのホールドを見落とし、フォール。(涙)
「白と黒」11b(F)★★(F)ロングルートでおもしろい。でも、11bにしたら簡単かも。
「パスファインダー」11b/c★★★、(MOS)「100岩場」には、「とりあえず登っておきたいルート」とある、オススメ。
「まっしぐら」11b★(失敗)出だしハング、核心スローパー、足の位置を間違いフォール。下部はもろいので慎重に。
11c
「おじゃま虫」11c★★★(OS)トポには「2本指ポケットでおもしろい。クリップに注意」とあるが、1本しか入らなかった。
12a
「出前一丁」12a★(ダメ)核心部が極端に難しい。ボルダー力無いのでムリ、オススメせず。
「探検隊」12a★(ダメ)これも「出前一丁」同様、1カ所極端に難しいムーブが出てくる。リーチ必要、イマイチ楽しめず。
「Blast−Off」12a★★★(失敗)出だしが濡れていて、ムーブ出来ず。最終日再度トライし、ムーブ解決するも失敗。

*全部で18種類のルートをトライ。
*成功(OSあるいはF)・・・12本(1本5.7のフォロー含む、最高は11c「おじゃま虫」11c★★★OS)
*失敗(フォール)・・・6本(12を3種トライするも、成功せず。最低は「ドラムソング」10d/11a★★★でフォール)

【感想・覚書】
*有笠は関東4大岩場のひとつ。(他の3つは、小川山、城ヶ崎、二子)
  今回、訪問できて喜んでいる。
  なぜ、今まで訪問しなかったか?
  ・・・理由は2つ。
  @4大岩場の中で最も最近開拓された。
  A関西から行くには、大変不便、時間がかかる。
  でも、行く価値有り。
*今回、12を3本トライしたが、どれも失敗。体調不良が原因だが、ルート選択も良くなかった。
  ボルダーのワンポイントルートを選ぶと良くない。
  あるいは、有笠はワンポイントルートが多い、ってことなのだろうか(たまたま?)
  「Blast−Off」は、良い選択であったが、登れなかったのは痛恨。
  こういう時もある、ってことで教訓としたい。
  皆さんも「他山の石」、として下さい。
*有笠山荘の前から、舗装道路ではなくなる、がたがた道。
  車体の低い車は注意。

【道路情報】
往路: 8:00pm頃大阪出発。名神〜中央〜長野〜上信越、と乗り継ぎ「上田菅平IC」で降りる、1:00pm。
    そこから下道、144号〜292号〜暮坂峠〜有笠、2:00am真夜中到着、車中仮眠。
    高速料金復路9,300円(高速+下道合計約6時間)
復路:草津温泉〜白根山〜志賀高原〜信州中野IC(上信越自動車道)〜北陸自動車道〜米原〜名神〜大阪
    高速料金復路9,400円(高速+下道合計約9時間)

【宿泊情報】
有笠山荘 素泊まりで7,920円。(GW価格)
コストパーフォーマンスが激しく低い。
「夕食は予約しておかないと用意できない」、と言われた。
有笠に近いのが取り柄。
「柳屋旅館」 この宿は中之条の町中にある。
どうせ町に買い出しに行くついでが有るので、場所は便利。
1泊2食付き¥5,500円、値段も良心的。
外観は旅籠、と言った風情・・・しぶい!(つまり、かなり旧い)
料理もよかった。充実の和食で、おいしい、量も多い。満腹満腹。
さらに言うと、朝食も量が多くて食べきれなかった。
頼むと、おにぎりにしてくれた。(親切)
この旅館はオススメ。
難を言うなら、風呂が普通の家庭風呂なこと。
温泉にこだわる方は、それが減点かも。
「とらや旅館」 この宿は沢渡温泉の中にある。
(鄙な風情がいい感じ)
一度は泊まりたい温泉宿。
(有笠山荘から車で約5分)
素泊まり¥4,000円、と良心的。
(手作りまんじゅう付き)
素泊まりでも、サービス満点。
ちなみに翌朝は炊きたての豆をいただいた。
ここに泊まる1番の目玉は温泉、これがしぶい。
(切り傷、関節痛、筋肉痛に効能有り)
また、《手打ちそばマップ》によると、この近くに「よしのや」がある。
(夕食に利用してみて)
石うす挽きのそば&うどん、これは美味い!
【参考】・・・宿泊施設の一覧表
       →サイトマップへリンクします
       →中之条町公式サイト

【食と土産について】
群馬県は麺類がうまい。
そばは当然として、うどんも美味い。
ぜひ、試してみて。
(沢渡温泉の中の「よしのや」がオススメ、19:00閉店注意)
また、豆も種類豊富にしておいしい。
有笠から中之条に向かう途中に「沢田農協農産物直売所」がある。
いろいろ特産品を買うことが出来る。
ここで売っている群馬産「干し芋」もおいしい。
田舎まんじゅうもオススメ。

【趣味とこだわり】
*遠出をすると、それぞれ「趣味」が浮き彫りとなる。
(価値観、こだわり、とも呼ぶが)
クライミングに専念する方。
美食グルメに執着する方。
温泉にこだわる方。
あるいは、観光名所を訪問したり、と。
私の場合、「宿」であったりする。
雰囲気のある土地、便利な場所に宿泊したい。
出来れば温泉もあったらなお良し。
テントは(出来れば)避けたい・・・しんどいし。
雨だと、うっとうしいし。(「アウトドアをやってる」、とは言い難いが)
今回、私とM上さんの2人なので、機動力もあり、融通が利いた。
私の「趣味」を押し、引くべき所は引き・・・(あまり引かないけれど)
M上氏は、復路に雄大な山岳風景と日本海に沈む夕陽のドライブに、こだわった。
帰路しきりに、「新緑が美しい、心が洗われる」、とハジメちゃん。
「ぜんぜん、そのセリフ似合わんで」、と私。
・・・と、こうして帰阪の途についたのだった。

(↑帰路、車窓からの風景、最高高度2160m雪だらけ)

【会計】
高速代(往路)¥9,300円
高速代(復路)¥9,400円
ガソリン代・・・約10,000円(約1,200km)
宿泊1日目・・・素泊まりで7,920円(有笠山荘)
宿泊2日目・・・2食付きで5,500円(柳屋旅館)
宿泊3日目・・・素泊まりで4,000円(とらや旅館)
晩飯、行動食等・・・5,000円
お土産代・・・2,000円
・・・以上、おおよそ4万円くらい使った。
   (交通費は2人で割ったから)

*人数を多くして、テントにしたら半額2万ですむかも?
 少し遠くにバンガローがある、と聞いたけど。(探してみて)
*トポに記載されている「ふれあいの森」は、GW休業、夏のみ営業となった。
 →中之条森林公園「ふれあいの森中之条町公式サイト

PS
「登るだけ」の時代は過ぎた。
このような事すべてがクライミングなのだ。
クライミングは文化である。