【寄稿文kuriharaさんの『有笠レポート』】
(2009年5月30日開設)


GW 有笠ツアーレポートby栗原

5月1日(金)夜発途中車中泊で2日よりクライミング開始。

2日(土)フェアリーロック

 初めての岩場でなかなかルートが分からなかった。
ホワイトパレス(11c
/d)と思ってI田さんがとりついたのは
ステミングダンス(11
a]/b)であった。
このエリアは10代がないのでとりあえずトライ。
出だしから体ウニョニョ。得意系ではあるがホールドの向きが悪い。
2ピン目の前が核心。細かいホールで耐えてなんとかクリップ。
目の前のヌンチャクをつかみそうになった。
そのあとは快適なステミングダンス。
途中浮石ホールドや浮石スタンスもあるので要注意。
無事フラッシュ。幸先がよい。
そして、本日の目標パスファインダー(11b
/c)にトライ。
人気ルートだが何故か今日は人が少なく、誰もトライしていない。
マスタートライとなる。出だしが少し細かいが基本ガバルート。
下から観察して細かい縦ホールドと思っていたところもガバであった。
最終ピン手前で少し戸惑うが左にガバが見えて頑張ってトラバースに成功。
大レストの後、終了点へ。マスターオンサイト成功!何故かやさしく感じた。
そして、エリアの真ん中にある一番目立つルート・夢を見る頃(11
a/b)を観察。
出だしはかなりのかぶりである。
そしてトラバースになるが見えないガバホールドを取りに行かなければならない。
マスターでトライ。いきなり鳳来のファーストを思わせるような傾斜である。
3ピン目が遠くヌンチャク掛けで足が滑り落ちかけ、ビレイヤーを驚かせてしまった。
トラバースになりガバと思ったポケットがそれほどではなく、耐えて左手をカチヘ。
そして右手をなんとか伸ばして白い三角ガバへ。
スタンスもあまりなく厳しいトラバースであったが、ホッと一息。
腕はかなりパンプしていた。
なかなか充実の一日であった。

ステミングダンス(11a/b)☆1撃:フラッシュ

パスファインダー(11b/c)☆☆☆1撃:マスターオンサイト

夢を見る頃(11a/b)☆☆1撃:マスターフラッシュ

 

3日(日)サンダンスエリア・古谷ロック

 大汗をかいてサンダンスエリアへ。
アップに友よさらば(10
a)を登る。
全体的に湿っぽくホールドもヌメりがち。
そしてエリアのど真ん中にあり、一番目立つルート
Please Jam Me(11c)を観察。
どっかぶりでルーフの縁を登る。スタンスはない。
ヒールのオンパレード?!
日本中でもなかなかこんなグレードでこんなルートはないだろう。
とりあえずヌンチャク掛け。
気合を入れていくが、ヒールフックが外れ、もどることができずフォール。
かっこ悪い落ち方だ。
腹筋背筋があれば修正できたであろう。
しかし、核心はルーフの乗り越し。
どうにもムーヴがわからない。
ビレイをしているI田さんからはレイバックとのアドバイスを受けるが
とてもじゃないができない。
で、右手に手に足ヒールで、上のガバ、左手の内側に左足ヒールで左手ガバ、
体を起こして右足横向きニーバーで乗り越えるというなんとも?なムーヴで解決。
2便目、ルーフの突入口は右足トウフックも有効であった。
核心では右のヒールが決まらず少しもたついたが、必死のパッチで乗り越え終了点へ。
なんとも充実感のあるルートである。印象に残るクライミングであった。

 サンダンスエリアから徒歩1分の古谷ロックへ。
夢の浮橋(11
a)にトライ。幸いヌンチャクが掛かっている。
傾斜は強いがガバルートとトポには書いてある。
ずいぶんと疲れていたのでフラフラになってオンサイト。
マスターでトライしていたら多分落ちたであろう。

Please Jam Me(11c)☆☆☆ 2撃

夢の浮橋(11a)☆☆☆ 1撃:オンサイト

友よさらば(10a)☆☆ 1撃:マスターオンサイト

 

4日(月)南国エリア・アドベンチャーランド

 南国エリアの旅館有笠(10a)でアップ。
白と黒(11b)にマスターでトライ。
明らかに核心と分かる所が下からの観察ではどうにも解決できない。
おまけにランナウトしているし失敗すれば棚に激突ではないか。
友人からは「日本一やさしい11b」と聞かされていたので落ちられない。
バランシーな出だしから、2ピン目を通過し核心へ。
思い切って棚のようなホールドを持つ。けっこう掛かりはいい。
しかし、スタンスは両足ともスメアリング。
3ピン目に恐る恐るヌンチャクを掛け体制を整えてクリップ。
一安心である。
終了点直下も緊張のため少しあわててしまい、
右手でガバを探りながら心の中で「ガバ!? ガバ?!」と叫んでいたが、
無事マスターオンサイト。

 アドベンチャーランドへ移動。
疾風(11b)にマスターでトライ。
ハング上のチョークべたつきガバへの1手が核心と見た。
トライするとどうもガバが遠い。やけくそデッドを飛ばすがフォール。
どうやら直登ではなく右に回りこむらしい。はたしてそこにガバはあった。
で、2撃。力王(11b)にトライ。
途中の大きなクラックの処理が核心と見た。
トライしてみるとオフイズスとジャミングが有効であった。
乏しい左足スタンスをなんとか見つけて中間部を突破。
上部で足を滑らせるが無事終了点へ。
途中のボルト位置がいまいちでクリップを2箇所飛ばす事となった。

旅館有笠(10a)☆ 1撃:マスターオンサイト

白と黒(11b)☆☆ 1撃:マスターオンサイト

疾風(11b)☆ 2撃

力王(11b)☆ 1撃:オンサイト

 

5日(火)ジ・アーチ

 外国でもアーチを見てきたが、ここのアーチもなかなかのものである。
右向け左(10d)でアップ。
ガバ主体のルートであるが、微妙に方向が悪くしかもかぶっているためかなりパンプした。もう4日目だからなおさらか。
大喰王(11b)にトライ。
三角屋根ホールドをいかに処理するかが核心。
右から攻めるか、左から攻めるか。
行きつ戻りつ左右1回づつやってみたがどうもわからない。
すると左にホールドを発見。
それから左に回りこみ体を入れてじわじわとずり上がるようにして突破。
あとは快適なホールドがならんでいた。
そして、アーチの下部を大胆にトラバースし直上するみかけだおし(11c)
師匠のI田さんは楽々笑いながらヌンチャク掛け。
その笑いを背中で聞いてオンサイトトライ。
ガバが連続するトラバースだがスタンスはなくヒールフックオンパレード。
チョークも適度についているが、この傾斜ではホールド一つ間違えるとアウトであろう。
突入前にじっくり観察し、いざ!最初の縦ガバから右手はクロスで上部のガバ。
左手ガバで右足ヒールで右手を寄せクリップ。
左足はブラブラ。大穴が見えるがどこが効くかわからない。
思い切って左手を伸ばしてさぐる。
あった!もう一発右足ヒールで団子のようなホールドへ。
ちょっと悪い。左手を迷うことなく中穴に。
どこが効くかわからないがとりあえず手を伸ばす。
ヌルッとしたガバ。なんとか耐えてクリップ。
右足はさっきの大穴にヒール。
そこからガバが続くが時々棚ホールドがでてきてパワーを吸い取られる。
最終ボルトのクリップをするがまだ終了点が見えてこない。
少し弱虫モードに入ってしまう。穴の中の隠れアンダーを発見。
そこから左のガバへ。よし!右手は悪いカチ。
で、右手にはクラックが走っている。ここはジャミング。
ところがジャミングが効かない。
少し探ったがなかなか決まらずフォール。痛恨であった。
上をみるとガバが待っていった。
結局クラックはカチ持ちできるポイントがありそれで解決をした。
ヌンチャク掛けをしたI田さんもここで少し考えたらしい。
あ〜、逃した魚は大きかった。
3本目の11cオンサイトが逃げていった。
2便目はヘロヘロで駄目。肩を痛めてしまった。
代償も大きかった。次回はぜひトライして敵をうちたい。

右向け左(10d)☆☆ 1撃:フラッシュ

大喰王(11b)☆ 1撃:オンサイト

みかけだおし(11c)☆☆☆ 次回への宿題

6日(水)フェアリーロック

 肩を痛めたのでレスト。下山直前雨が降ってきた。今回はじめての雨。

 


温泉旅館●●

 今回の成果は温泉によるところが大きいと考えている。
有笠山麓の沢渡温泉には300円で入れる共同浴場があり、
旅館に泊まっている人は無料だ。
朝晩と温泉に入り体をほぐしたので、
クライミング後によくある体がバシバシの筋肉痛が全くなかった。
ツアーに出かけたときはできるだけ朝風呂に入るようにしている。
なければシャワーで代用。
今回宿泊したのは共同浴場の前にある沢渡館(2食付き6500円)。
建物は古いが料理は山菜が色々出て最高であった。
体重も2キロ増え、こちらの効果も絶大。
宿の女将さんも明るいすてきな人であった。
また車で少し行ったところの温泉饅頭も美味で、
少し塩味のきいたアンコやソラマメのアンコもうまかった。
車で10分ほどのところの四万温泉は大きな温泉地で
無料露天風呂(混浴)など無料で入れる温泉もいくつかある。
ただ時間が9時から15時だったりすることもあるので要注意。