グリグリとフライヤーについて   


【事故報告と注意】

kounoさんにグリグリとフライヤーの相性の悪さについて聞いた。
そこで(さっそくお願いして)、詳細な資料をたのんで送ってもらった。
重要な連絡広報です。

大事故につながりかねない、重要な指摘なので、
しっかり読んで下さい。
(by たきやん)


このところパンプでグリグリによるリードビレイの事故が、何件か立て続けに起きています。
いずれもロープにベアールのフライヤー(10.2mm)を使っていた場合に起きています。

【事故例(1)】
終了点近くでクライマーが墜落。グリグリを通した側のロープは片手で持っていた
が、制動が全くかからず、クライマーはそのままグランドフォール。幸いビレイヤー
がやけどを負いながらもロープを握っていたので、骨折ですんだ。

【事故例(2)】
ボルト5本目でクライマーが墜落。ビレイヤーはグリグリを通っているロープは持っ
ていなかった。そのまま制動はかからずグランドフォール。クライマーは骨折。

2004年6月12日、Pump2号店でベアールのフライヤーとグリグリでビレイを試してみました。
まず地面でグリグリを通ったロープに制動がかかるか実験しました。
結果グリグリを通したクライマー側のロープは、ほとんど制動はかからず、スルーの状態で動きました。
ロープを別のものに変えると、しっかりロックがかかりました。
その後の実際のリード、墜落時でのフライヤーでの墜落実験ではロックがかかりました。
この結果、以下のように考えました。

(1) グリグリにはロープとの相性があり、相性が悪いロープで使うと、
    墜落時にまれにロックがかからないことがある。
(2) 現時点ではベアールのフライヤーが大変相性が悪いと思われる。特に新しい状態だと大変滑る。
    ただし他の全てのロープで確認したわけではなく、それ以外が大丈夫と言うことではない。

手を離してグリグリのビレイをしている人が大勢います。これは論外です。
すでに事故が何件か起きており大変危険です。

グリグリのメーカーの使用説明には以下のように書かれています。
(http://www.alteria.co.jp/instruction/grigricheck01.htmより)
ビレイヤーは片方の手で(クライマーと反対側の)ロープの端を握り、もう一方の手でクライマー側のロープを握ります。
ロープを送り出すには、(クライマーと反対側の)ロープの端を握っている手で器具の中にロープを押し込み、
もう一方のクライマー側の手でロープを引き出します。
3B.
リードクライマーがロープをクリップする時、クライマーに十分にロープを送り出す
のが困難な時があります。
この時は、ロープの端(クライマーと反対側)を握っている手を器具に移動し、カムを
手で固定し、もう一方の手でロープを素早く引き出します。
カムをロックしている手は素早くロープの端に戻して下さい。
注意:安全性の面で、この方法は使用を制限し、素早く行う必要があります。
パートナーの墜落時にビレイヤーの手がグリグリに挟み込まれる危険性があり、その結果、
ロープの操作を失う可能性があります。

グリグリをリードのビレイに使用している方への提案です。
(1). グリグリはリードのビレイには使用しない。
(2). どうしても使用する場合は、メーカーの説明に沿って、正しい使い方をする。た
   だし3Aのような正しいロープの送り出しができないロープもあり(ロックしてしま
   う)、その瞬間にクライマーが墜落した場合、どのように対処するか考えておく。
   (私には良い対処法は考え付きませんが。最低限、他人を怪我させても裁判で困らな
   いように賠償保険に入っておく?)
(3). ビレイの際にグローブをする、グローブをしていると握りこみでかなりの制動が
   かかるので、危険が軽減される。

またリードする方で、ベアールのフライヤーをお使いの方は、グリグリ以外でのビレ
イを、ビレイヤーにお申し出ください。

グリグリのビレイは他のビレイ器具と同じく、グリグリを通ったロープを放さないこ
とが鉄則です。
またベアールのフライヤーはATCなど、他の器具を使っても、他のロープと比較する
と明らかに、流れやすいです。
ビレイヤーがクライマーより軽い場合など、止めるのが大変困難な場合があります。
重ね重ねですが、ご自分の命は、ご自分で守るようお願いします。
まだ確認しきれていないこともありますが、事故がおきてからでは遅いので、
まず第一報でご案内いたします。



以上、転載終了。
この文章を読んだ方は、他のクライマーにも知らせてあげてください。
また、グリグリで事故にあわれた方、事故になりそうになった方も、
教えてください。
このHP等で広報します。



【追加】
以前にも書いたように、グリグリは『10o以下使用禁止』
となってる事をご存知でしょうか?
細すぎて、流れすぎるから。
ATCでも、10o以下のロープの時は、同様に注意しよう。
やはり、流れすぎる。
自分より(ずっと)重い人をビレイするときは(特に)要注意。