【参考】 石井光太公式サイト【コウタイズム】 |
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2009年9月21日 「絶対貧困」石井光太(光文社)
よくぞここまで取材した。 感心した。 「物乞う仏陀」「神の棄てた裸体」では具体的なデータより、「情念」を感じさせる内容だった。 今回は、「講義」という型式をとって、「貧困とは何か」、ってのを表現している。 具体的な資料満載で、理解しやすい。 石井光太さんの作品はどれも、説得力があり考えさせられる。 興味深い話をひとつ。 (以下、転載) ドイツのワールドカップの時は、海外からやってきた売春婦の数は四万人にも達したそうです。 (中略) 次は2010年の南アフリカ大会ですが、ここでも膨大な性産業の特需が見込まれています。 しかし、南アフリカは世界最大級のエイズ大国で、十五歳から四十九歳の人口の五人に一人が HIV感染し、売春婦の感染率はそれをはるかに上回ると言われています。 もし、ワールドカップで集まってくる外国人がそこで買春をしたらどうなるでしょう・・・。 (以上、転載終了) ・・・恐ろしいことだ。 2010年を境に、HIV感染が世界を汚染するかも。 (これは笑い話ではないぞ) サッカーファン要注意。 |
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2009年9月14日 「物乞う仏陀」石井光太(文春文庫)
先週読んだ「神の棄てた裸体」がすばらしかったので、こちらも読んでみた。 やはり、すごい内容だ。 現地の乞食にインタビューを試みる・・・それも毎日、何人も。 非常に生々しいが、ユーモアもある。(そこがすばらしい) 乞食には障害者も多い。 だから、アジアの障害者取材も兼ねている。 著者は障害者のひとりの女性が好きになり食事に誘う。 すると、家に来てくれ、と言われる。 そこから××な展開に・・・まぁ、とりあえず読んでみて。 著者の行動力に脱帽。 |
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2009年9月7日 「神の棄てた裸体」石井光太(新潮社)
この濃さはなんなんだ、すごすぎる! 旅の主題が異なるから並列できないけど、それでも比べてしまう。 ・・・「深夜特急」が薄味に感じられる、と。 著者が対象にのめり込み、感情移入しすぎるけど、このスタンスもいい。 世界で様々な紛争・戦争が起こっているが、そこに生活している方はどうなっているのか? 例えば、『婆』のエピソード。 東ティモールの紛争がもとになっている。 ヌール婆さんは、歯がなくて、風貌は老婆。 でも実は45歳らしい。 なぜなのか? 理由が語られたとき、このエピソードに呆然とする。 また、最終エピソードでジャラカが、他人の赤ん坊を育てようと決意するシーン・・・。 ジャラカは家族のいない路上生活者。 ぼろぼろのサリーをまくって赤ん坊に乳を飲ませようとする。 (・・・もう涙腺ゆるみっぱなし) PS1 しかし、レジミーはどこへ行ったんだ? (著者のレジミーへの介入は中途半端すぎる・・・怒) PS2 この作品、何の賞も取っていないようだけど、なぜ? こんな凄い作品なのに。 もっと評価されるべき、と感じる。 ぜひ、読んでみて。 【参考】 石井光太公式サイト【コウタイズム】 |