【寄稿文・スペイン帰国、ito君のコメント】
(2010年3月7開設)

3月1日、クライミング情報を書いた。
ito君が、8c+をRPした、と。
感激したので、連絡をとって、メールをやりとりした。
本人了解のもと、内容を公開する。
皆さんの励みにもなるし、モチも上がる、と思う。
まず、スペインでの訪問エリアはシウラナサンタリーニャ
今回のツアーで登った主なルートは、次のとおり。

8b+、4本:
ドグマ、カレアボロカ、・・・シウラナで2本。
ロックファックス、ロリータシャル、・・・サンタ リーニャで2本。

8c、3本(なお、前回2本RPしているので、合計5本となる):
イングラビス、ロリータシャルマEX、ファベリータ、・・・全てサンタリーニャ。

8c+、1本:
イングラビスEx・・・サンタ リーニャ

以下、ito君からのメールの転載・・・

★(イングラビスEx、8c+について)
とりあえずルート説明ですが、サンタリーニャのど真ん中付近を
インナーのガバやポッケをつないでトラバースしていく素直なルートです。
そこから一気にガツンと悪い核心。
コルネとアンダー一本指こなしたら、8b+の核心のパートに合流。
息つく暇なくやってくるのでかなりココでボディーがやられます。
ちなみにふり続く雨でこの一帯が染み出して苦労しました。
あとは微妙に落ちそうなパートはありますが、ここまできたら8cは終了です。
そしてガバでレストしたら、ここから本番。
カチの連続から続くガストンポッケ止めて、悪いカチとスローパーでクリップしたら、
更に真上にあるアンダーをガストンし、
体幹で体を押し上げて更にアンダー、そして極悪カチでランジでフィ ニッシュです。

★(グレードについて)
他の8c+と比べるとムーブ自体さほど悪くはなく、お買得感はあります。
ただ体が万全では無い僕にとっては、体幹、前腕、精神全てが半端無いくらいに限界に達するルートで、
最後のランジが簡単にはとまりませんでした。
8c+、日本にいる時は時間の問題かな〜なんて思ってました。
でもハッキリ言って完全に井の中の蛙でした。
日本の高グレードのグレーディングはまた別物ですね
(スライドがあっているかどうか・・・)
僕的にはメタフォースがグレードダウンされ て8cとスライドがあう感じがあります。
8cと8c+の間にはとてつも無い壁がある様な気がしました。
そしてヨーロッパの連中はそれをわかってます。
とにかく8c+になると全くムーブが出来なくなる様なものが殆んどでした。
次回はそんなスタンダードな8c+を登りたいです。

★(今後の展望とトレーニングについて)
ちなみにさっき8cと8c+の違い書きましたが、8cを5本登れていてもそう思います。
というか登ったから余計に違いに気付いたのかもしれません。
なので9aはかなりヤバイですね。
でもココまで来てようやく、自分の弱点だけでなく、多くの失敗に気付かされました。
トレーニングは全て一からやり直しかなーと5年経って出した答えです。
でも一つだけ絶対に忘れたく無いのは「あきらめたらあかん」って事ですか。
でもこれからは少し肩の力ぬいてtake it easyで。

(以上、転載終了)

いかがでしたか?
励みになりましたか?
モチも上がりましたか?
我々も目指すグレードは違っても、同じクライミングの同志。
参考にすべき点を取り入れ、見習いたい。

ところで、上記コメントでも触れているように、かなり体調悪かったようだ。
オーバートレーニングからくる慢性疲労。
眼の調子も悪く、視界不良。
それにもかかわらず、成果を出したのは自信につながった、と思われる。
(私は底力を感じた)
クライミングを始めて約5年。(それも、20代半ばから)
こんな短期間で、よくこれだけ上達したものだ。
驚異の身体能力と精神力だ。
今後のますますの健闘に期待したい。
(でも、故障と怪我には気をつけて・・・クライミング界に『休業補償』の言葉はないから)