【著者略歴】 宮木あや子 ミヤギ・アヤコ ![]() 1976年、神奈川県生まれ。東京都在住。2006年、「花宵道中」で第5回「女による女のためのR−18文学賞」大賞と読者賞を同時受賞。趣味は着道楽と海外旅行。洗練された文章と、女性らしくも鮮烈な官能描写で受賞決定直後から話題沸騰の大型新人。 (以上、新潮社サイトより) ![]() ◆受賞者インタビュー ☆宮木ログ
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2009年10月12日 「泥ぞつもりて」宮木あや子(文藝春秋)
先日読んだ「野良女」から「花宵道中」まで、宮木作品は幅が広い。 今回は、平安後宮が舞台。 読んでいて、感じた。 松田志乃ぶさんも、この作品を読んでるかも?、と。 「女は灰になるまで女」というセリフ。 碁を打つシーン。 なんとなく、そんな気がする。 |
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2009年9月21日 「野良女」宮木あや子(光文社)
この方のデビュー作「花宵道中」を読んだのが2007年夏。 「花宵道中」は、吉原を舞台に遊女を描いた傑作。 その時の強烈なインパクトは、今でも残ってる。 後日読んだ、直木賞受賞「吉原手引草」(松井今朝子)がもの足りなく感じたくらい。 あれから2年、「野良女」は最新作。 (ずっと宮木作品、気になっていた) 今回の「野良女」は現代を舞台にしたユーモア小説。 宮木あや子作品にしたら『軽め』かもしれないが、世間では『強烈』でしょう。 今まで「女性の本音全開」、って作品は、けっこう読んできたつもり。 でも、これはすごい、強烈すぎる。 『本音』と言うより、『身も蓋もない』、って感じ。 ここまで書いていいのか、って。 ある意味、「もっと、わたしを 」、「男は敵、女はもっと敵 」、「ガール 」に匹敵する作品、と言える。 (「エグさ」「毒」、では軽く凌駕してるかも) 著者曰く、「しょぼくれSexAndTheCity@中央線の荻窪より西側」と。 もう、声を出して笑ったよ、ホント。 例えば、桶川さんが、たまたま髪を切ってショートにした。 それが「綾波レイ」そっくりになってしまう。 保険の外交で、仕事に行くと、土下座して頼まれる。 このコスチュームを着てくれ、と。 さらに、『私が死んでもかわりがいるもの』、と言ってくれ、と。 P84の『×××芸』にも笑った。 ×××をぐるんぐるん振り回し××に××するシーン。 (そんなこと出来るのか?!) それにしても、とんでもない作品だ。 さらに、著者ブログより、下記のお言葉転載。 (以下、転載) ガールズの半分は優しさでできていますが、あとの半分はえげつなさでできています。 興味本位で読むとたぶん勃起不全か女性不信になります。この忠告は私の優しさですよ。 【参考】 # 2009/07/17 00:00 |
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2007年8月14日(火曜) 「花宵道中」宮木あや子(新潮社) 驚いた。 これがデビュー作なのか! 恐ろしいほどの完成度の高さ。 しばし絶句。 吉原遊郭が舞台。 読んでいて、生活を感じる。 まるで、自分が江戸時代にいる感覚。 これは相当巧いぞ。 構成もすごい。 連作長編となっていて、短編ごとに主人公が変わる。 第3話が第1話の裏ストーリーになってたりする。 関係がないと思っていた人物同士が関係あったり。 単純な××と思っていたら、裏にえぐい確執があっり。 脇役と思っていたら、次の短編で光が当たって、 この時の何気ない行動には深い意味があったのか、って解ったり。 どの短編も濃度が高い、高すぎるくらい。 スピリッツクラスの酒をストレートで飲んでる気分。 このすごさは読んで体験してもらうしかない。 圧倒的な情景と情感にひれ伏すのみ。 間違いなく傑作。 巻末に以下の言葉がある。 私たちの知らない吉原で、恋に泣いて、思いを遂げられないまま死 んでしまった遊女たちの魂が、少しでも慰められることを願います。 PS1 R−18文学賞受賞作品なので、 少し生臭い(汁っぽい)、と感じるかも。 そのあたりがハードルかな。 PS2 遊郭の姉妹制度を読んでいて 「マリみて」の姉妹制度を思い出した。 |