「シーラという子」と、続編「タイガーと呼ばれた子」をたてつづけに読んだ。 |
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1960年、著者はプラハのソビエト学校にいた。 そのとき、彼女は小学校4年生。 その後、30年の時が流れ、 小学校時代仲のよかったクラスメートを訪ねる旅に出る。 もうほとんどミステリーである。 複雑な東欧事情。 はたして、作者は級友たちに再会できるのか? 作品は3部構成になっている。 第一章「リッツァの夢見た青空」 第二章「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」 第三章「白い都のヤスミンカ」 殊に、第三章がよい。 長い歳月で変化し跡形もなくなるものもあれば、 変わらないものもある。 久しぶりに、良いものを読んだ。 感激。 |
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大杉栄と伊藤野枝の子どもルイズの半生を描いている。 戦中、戦後をルイズはどう生きたか。 大きな事件もなく、 ドラマティックな展開もない。 日常が淡々と綴られる。 それがどうしてこうも感動を与えるのか? 瀬戸内晴美さんの「美は乱調にあり」を読んだときは、 「伊藤野枝ってなんとなくきらい」と感じたのだが、 「ルイズ」を読んで、 「伊藤野枝ってそんな嫌いじゃないかも」と思いなおした。 主人公の成長が昭和史とともに語られる。 何年も前に読んだのだが、 そのときの感動は今でも忘れない。 「これこそ名作中の名作」と友人には宣伝してまわった。 松下竜一氏には個人選集が編まれており、 以下がその概略である。 第一期10巻【現代を生き抜く小説】 「豆腐屋の四季」 「潮風の町」等 第二期14巻【本物のノンフィクション】 「風成の女たち」 「砦に拠る」 「汝を子に迎えん」等 第三期6巻【未来を創る物語】 「5000匹のホタル」等 |
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戦記物というとシリアスな作品を想像しがちだが、 これは「水木しげる作品」である。 作者は南洋の島に出征するが、 朝から兵舎をぬけ出し、現地の部落を訪ねてばかりしていた。 原住民との交流が楽しく描かれている。 作者はこの島で片腕を失っているのだが、 悲壮感とはほど遠い文章である。 昔から、ただ者ではなかったことがうかがえる。 |
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作者は新田次郎氏の奥さんである。 とは言っても、作家としてのデビューは 藤原ていさんの方が先である。 昭和二十年八月九日ソ連参戦の夜から、 言語に絶する脱出行が始まる。 平和な現在、こういう本がもっと読まれてもよいはず。 |
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