【寄稿文飯田さんの『沖縄レポート』】
(2005年1月12開設)

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またまた、飯田さんよりレポートをいただいた。
すばらしい内容である。
資料としても価値がある。
しかし、9日間とは・・・うらやましい!
byたきやん

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【沖縄レポート】by飯田
【2004年12月25日(土)〜2005年1月2日(日)】

辺戸岬全景


★12月25日(土)晴れ
 午前9時40分、ANNにて沖縄へ。午後、平和学習。ひめゆりの塔・平和祈念資料館を見学する。ひめゆりの塔・・・沖縄戦の悲しみを今に残す慰霊塔。戦争時女子学生達は看護の役を務め、ひめゆり部隊は最も多くの戦死者を出した。ひめゆり祈念資料館を見学してから塔の前に立てば、自然と手を合わせてしまう。平和祈念資料館・・・沖縄戦の悲惨な実態を伝える資料館。ビデオ・写真・遺品・証言集などにより歴史を見ることができる。


★26日(日)晴れ
 沖縄・辺戸岬でのクライミングの幕開け。まず、ハブバリ(5.10b)とアンダギーマン(5.11a)でアップ。その後、今回のツワー最大の目標であるガーリックチキン(5.12d/5.13a)のルート観察をする。長くて傾斜がある。上部はコルネも発達していておもしろそうだ。十分ルート観察をした後、いよいよトライ開始。下部はブエノチキン(5.11b)を登る。少し迷ったがレストポイントへ。十分レストした後、上部へ。コルネをわしづかみにしてヌンチャクを掛けクリップをする。コルネの処理に右往左往している内にパンプしてきてあえなくフォール。次のピンが遠い。コルネを使いあまいカチで耐えながらヌンチャク掛け。いよいよ核心部へ。細かいホールドをつなぎながら、縦のピンチを取る。あまい。どこがよくかかるのか?どこだ?力尽きてフォール。ムーブ解決に苦しむ。苦労の末、終了点へ。夕方、2回目のトライをするが、核心部にてフォール。


★27日(月)雨
 ハブバリ(5.10b)でアップ。初日の出(5.11a)もアップのつもりが・・・。はまってしまった。1ピン目の核心ムーブが読めずフォール。正解ムーブを教えてもらいトライするができない。ヌメル(僕だけだろうか?)。インチキをして終了点へ。はまりにはまって、よけいな力を使ってしまった。ガーリックチキン(5.12d/5.13a)トライまで大休憩が必要になる。      1時、ガーリックチキン三度目のトライ。核心部までは楽に登る。核心部、右手のピンチを持った所で身動きがとれなくなりフォール。核心部のムーブをあれこれやってみるが、いいムーブ見つからず。

 午後4時、雨の中4回目のトライ。雨のため壁の状況も非常に悪い。下部で余分な力を使ってしまった。「今日のRPは、無理か?」「まあ、気楽に登ろう。」やっとの思いで最終のレストポイントへ到着。いよいよ核心部、悪いピンチに耐えクリップポイントへ。ロープをたぐるが、クリップできず。「後2手上に行こう。」カチフォールドを持ちやっとの思いでクリップ。ふらふらになりながら、終了点へ。力みがなかったのが勝因か?2日間4回目のトライでRPに成功。

★28日(火)雨。
 沖縄地方は日本列島が冬型気圧配置になると前線が発生し、天気がぐずつくらしい。今年は冬型がしっかりしているため、天気が悪い。今日はレスト日なので真栄田岬の岩場(恩納村真栄田)を捜しに行く。11時頃岬に到着するが、風雨が強く岩場に近づくことが出来ない。懸垂下降で岩場に降りるため、天気が悪い日は取り付かない方がいいかも。岩がもろい事と取り付きが悪いため訪れるクライマーは少ないらしい。
 午後1時、この岩場での偵察を終了し海洋博公園へ。いるかショウなどを楽しんだ後、民宿へ到着。


★29日(水)曇り時々晴れ
 夜中、風雨がすごかった。朝になっても暴風雨が収まらず、真っ暗な空である。9時頃、ところどころ青空も顔を出すようになったので、岩場の状態を確認するため出発する。しかし、昨日の雨量は半端じゃないので、本日のクライミングは期待薄だ。ところが、岩場に着いてびっくり。岩は、ほとんど濡れていない。「こりゃ、いけるで!」気合いが入る。
 ハブバリ(5.10b)でアップ。次に、シークワサー(5.11b)にトライする。下部のボルダームーブは何とかこなしたが、出口でフォール。「これ、11b?」はまってしまった。十分レストした後、今回の二つ目の目標だったタコライスチーズ(5.12b/c)にオンサイトトライ開始。3カ所ほど悪いムーブがありそうだ。特に、最後のムーブは厳しそう。必死のクライミングで最終ピン直下まで登るが、クリップ出来ずにフォール。
 午後4時、2回目のトライ。最終ヌンチャクにクリップして核心部へ。遠いカチをつかむ事が出来ずにフォール。

★30日(木)晴れ
 いつものようにハブバリ(5.10b)でアップ。疲労がピークに達しているようだ。タコライスチーズ(5.12b/c)にトライ。中間部を突破しレスト。核心部に突入するが、またもやフォール。最後のムーブをどうするか?二通りのムーブを試したが、どっちもどっち。疲れもたまり、体も動かないので、本日はレストにする。沖縄の民宿は、シャワーだけで風呂はないようだ。「風呂に入りたい!」そこで、近くのリゾートホテル・オクマへ。(風呂代630円)湯船から見る景色が素晴らしい。タイのビーチを思い出す。

★31日(金)雨のち曇り
 朝起きると、非常に風雨が強い。これではクライミング出来ない。部屋でゆっくりしながら様子をみることにする。辺戸岬の岩場は雨に強いので、雨が止めば問題がない。午前10時、荷物を整理して出発。駐車場に着くが、小雨が降り続く。とりあえず、今日からの宿である民宿安波(あは)に向かう。民宿のおばさんに挨拶をし、部屋に荷物を放り込む。12時、車内で昼飯を食べた後岩場へ。今日はとても寒い。東京や大阪でも数センチの積雪があったらしい。アップをした後、タコライスチーズ(5.12b/c)にアタック。何とかRPできた。その後、PMA(5.13a/b)にトライ。ムーブも楽しく四つ星ルート。

★1月1日(土) 雨時々晴れ
 辺戸岬最終日だというのに、朝から雨。天気の回復を祈るのみ。岩場に着く頃には晴れ間ものぞくが、小雨止まず。うるま(5.12a/b)にマスターオンサイトでトライ。三ピン目あたりが少し細かく、バランスが必要。クリップの後、ガバのレスト地点へ。大ガバで休み5ピン目にヌンチャクをかけようとするが、とても遠い。スタンスを高く上げ、何とかクリップ。腕がパンプしてきた。トラバース後、核心部突入。スローパーが耐えられずフォール。後一歩だった。その後、2回目でめでたくRP。PMA(5.13a/b)に2回目のトライ。やはり厳しい。
最後の仕上げは、マンモスクイナ(5.11c/d)のマスターオンサイトトライ。血を流しながらの気迫のクライミング。

2日(日) 晴れ
 6時、お弁当を作ってもらい民宿を出発。9時、ぐしちゃんボルダーエリア着。浜には奇形なボルダーがそびえ立つ。朝食後、いくつかのボルダーに向かうが、百岩場のルート図ではいまいち分かりづらい。そうこうするうちに福島出身の若者に出会う。彼は写真入りのルート図を持っていた。写真を見ながら、あれやこれやとボルダーを回る。初段は無理。一級は難しい。ねらい目は、2級・3級か。何本かのルートを登り、今回のクライミングツワーも最終章を迎える。尚、ぐしちゃんにはいくつかのロープクライミングルートがある事を付け加えておく。


感 想
 夢のような9日間だった。沖縄は、日本語の通じる外国(文化が違うという意味で)だ。料理も美味しいし岩もいい。「沖縄料理はいまいちで、辺戸岬の岩場はちんけだ。」と友人から言われているクライマーのみなさん。自分の目で確かめてほしい。本州と違った美味しい料理。メインウォールには四つ星ルートが並ぶ。今回の目標は、@ガーリックチキン(5.12d/5.13a)のRPAタコライスチーズ(5.12b/c)のオンサイトだった。@は成し遂げたが、Aは力不足だった。でも、うるま(5.12a/b)のRPとマンモスクイナ(5.11c/d)のオンサイトが出来た。決して沖縄の岩はちんけではない。一度訪れてみる価値は十分にある。

ガーリックチキン(5.12d/5.13a) タコライスチーズ(5.12b/c)

【諸費用

 飛行機代・・・29000円(ホテル一泊を含む)

レンタカー 9日間・・・28300円

【宿泊】
・・・ 〒905−1411  沖縄県国頭郡国頭村辺土名1278−6

やんばるくいな荘 рO980−41−5506

  二食付き  4500円

        

沖縄県国頭郡国頭村安波22

民宿  安波(あは)рO980−41−7255

 二食付き  4000円