【寄稿文栗原さんの『タイ・プラナン・クライミングレポート】
(2007年1月16日開設)

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昨年に引き続き今年も
栗原さんよりレポートをいただいた。
「プラナン・レポート2006−2007」である。
栗原氏、3つめの寄稿文。
@「ロデジャ・レポート」
A「タイレポート2005-2006」
そして今回のレポートである。
ほんとにありがたい。

ところで、私もタイに行っていたが、
現地でお会いした。
また、行く前には情報をいただき、
いろいろアドバイスも受けた。
感謝!

byたきやん

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へたっぴの へたっぴによる へたっぴのための・・・

          タイ・プラナン レポート 2006−2007

                         チームクラマグチ 栗原

 

12月24日午前1時25分関空発 クラビ着

 9月にクーデターが発生。
渡航をあきらめかけたけど、タイ行きを予定しているクライマーは
誰もキャンセルしそうもないので行ってみた。
到着後、いつもお世話になってるクラビの旅行代理店「さくら」の井上さんに
クーデター後の様子を聞いたら、何も変わったことはないとのことで一安心。
いつものようにクラビ空港からアオナンへ「さくら」のだんなさんに車で送ってもらう。
道中、家の軒先には国旗とならんで国王支持を表明する黄色い旗がいっぱい。
旗の真ん中には王家の紋章。
クーデター後の軍事政権は国王の承認をもらっているので、テレビや新聞でも国王一色。
テレビの司会者も街の人も胸に紋章のついた黄色いポロシャツをきている。
我々親子も記念に一着ずつ購入。

 去年は小さかった井上さんの娘が、車の中で眠たそうにしている。名前は「さくら」

とりあえず、午後から登れる近場で・・

 The Nest

 Wacky Weed(6a) いつもトップロープが張られている人気ルート
             父 M OS 上部でちょっとラインをまちがえたが・・。
             息子 F

 Little Fish(6b+) 昨年の宿題。
            父 M RP はずれのラインを行く。いっぱいいっぱいいであった。
            息子 正解ライン取りでいくが残念。久しぶりのクライミングなので。

となりのWild Kingdom Wallは人がいっぱいなのでとりあえず初日はこれぐらいで。
トンサイからアオナンに帰るボートが乗員不足でなかなか出ない。
4人で一人75Btであった。
トンサイからはビーチの端っこで「アオナン!」とおっちゃんが叫んでいるが、
メインのエリアからのほうが乗る人も多いようで、こちらから乗るのがお勧め。

12月25

  Ton Sai

Babes in Thailand(7a) 今回の課題。父は前回、前々回とも1ピン目で敗退。
               父 なんとかムーヴを解決。ちびっ子用の右回りのライン取り。
               2便目であわやRP。最後の引付で力尽きる。
               息子 正統派ムーヴ。身体張力とリーチを生かしてヌンチャクかけ。    
                       
フォール時にガビガビコルネで指の皮をむき出血。へこむ。

  Wild Kingdom wall

Concrete Jungle(6c+) 前回目をつけていたルート。
                父 ヌンチャクかけ。オールがバ。上部でちょっと遠いとこあり。
                どっかぶり。2便目では、上部で力尽きる。

1226

  Ton sai

Babes in Thailand(7a) 父 ヌンチャク掛け。2便目でRP。めずらしく息子より早い。
               息子 どうも調子がでない。2便出すが、最後の引付でだめ。

  Wee's
Present Wall
 新しいエリア。今回初トライ。
Low Season(6c)父マスターでトライ。 ハズレ。途中悪すぎる。となりの5に逃げて回収。
Hello Christine(6a+) A Man can Tell A 1000 Lies(6a)
            ともに 息子:MO/S 父:F ガバコルネでランナウト。
        タイならでは。楽しい。

1227日 レスト
午前中寝たきり中年。午後タイ式マッサージ。ちょっと痛かった。250Bt
今回は観光はなし。これぞレストの王道?!

12月28

  Ton Sai

Babes in Thailand(7a) 父 へこんだ息子のためにヌンチャク掛け。
              息子 朝の1便目でRP。
Sweating Mekong(7a) 古いトポでは6c+であったが格上げ。
               父 ヌンチャク掛けとムーヴさぐり。手ごたえあり。面白い!!
               息子 父とは違うムーヴで解決。ともに可能性を感じる。

 The Keep

Babo Does Thailand(6c) 父 気合を入れてトライ。しかし、2ピン目でテンション。
               中間部にも核心あり。残念。

 その後、スコール。他のルートもやりたかったのに。
 外人さんはどしゃ降りのなか歌いながら帰っていった。      

12月29

 Ton Sai

Sweating Mekong(7a) 父 ヌンチャク掛けと1トライするも残念。
              息子 RP。3撃。先を越されるいつものパターン。

 Thaiwand Wall  いつ来てもすばらしい!! 

Circus Oz(6a+) 息子:M O/  父:F
           高度感抜群。グレードのわりには難しく感じる。

他にもSolution41(6b+) Inaka(7a) Live&Let Thai(7a)などトライしたいルートが沢山。
もっと日があれば・・・。ちょっと疲れ気味なので本日は終了。

12月30日 レスト
午前中寝たきり中年。午後オイルマッサージ。気持ちいい!300Bt

12月31日

 Ton Sai

Sweating Mekong(7a) ヌンチャク掛けのあと渾身のRP。
         これで最後のトライと決めていたので登れてよかった。6撃。

Stalagasaurus(6c) 巨大コルネが落ちて6A+が6Cに。
             息子 ヌンチャク掛けのあとRP。M O/Sまであと少しだった。

  Cat Wall  眺め最高、アプローチ最悪。足場も悪く写真を撮って敗退。

   Eagle Wall  引き潮だったので3年ぶりに行ってみた。快適なよい岩場。
      アプローチもジャングルを通る平坦な道。
      巨大石柱があったり楽しい。

5D Mak Mak(6c) 登りやすい。ライン取りに注意。
       父 M O/S直前でフォール。
    コルネでホールドを手探りしているうちにバランスを崩す。
    あわてちゃだめですね。
    息子曰く、「終わったと思ったら降ってきた。」痛恨の2撃。 息子:F。

Lost in Space(6b) お勧めルート。30M近くあり、終了点でのロケーションも抜群。
       息子:M O/S 父:F

  2006年を締めくくるにふさわしいルートであった。
帰りは潮が満ちて、太ももまでの深さの海を歩く。

1月1日

 HIdden World 5年前初めてタイに来て初めて来た懐かしのエリア。

Satanic Alliance (6b) 古いトポでは6A+。核心はパワフル。
     息子 M O/Sならず。 父 RPならず。ガバホールドが遠く苦労する。
Viper(6c+)
 古いトポは6cであったが、格上げ。同行したT下さんがM O/S。 
          父 O/S。うれしかった。
T下さんが「腕がパンパンに張った。」と言ったのですでにあきらめモード。
しかし、息子いわく「得意系かも。」と言ってくれたのでちょっとやってみる気に。
人間あきらめたら駄目ですね。
やってみるものです。
最終日にお土産ができて大満足。前半はフェイスでホテル二子のような穴で一休み。
最後はガバコルネだが、かぶって高度感抜群。パワーも全開。
30M近いルート。息子は、最後のコルネで泣きが入り、回収。

アオナンでの生活

 去年と同じ宿(JMansion、船着き場から徒歩3分。
エアコン・冷蔵庫・温水シャワー・テレビ)なので、何かと楽であった。
去年タイの民族パンツを買った屋台のおじさんは、聾唖の人であるがジェスチャーで再会を喜び合った。
宿の主人も我々親子を覚えていてくれて、熱烈歓迎してくれた。

 去年に比べ、屋台が減り、屋台料理の値段もあがっていた。
しかし、最終日に船着き場からクラビ方向へ少し歩いたところに大衆食堂を発見。
安くて旨かった。
去年同様、焼き鳥とクレープはよく食べた。
しかし、岩場にボート通勤するには二人では、乗り場で待たされることが多く少し残念。
まあ、のんびりすればいいだけのことであるが。

会計(ひとりあたり)1バーツ=約3円

飛行機代:79000円+空港税等12130円=91130円

宿代:1300Bt×8泊=10400Bt÷2=5200Bt=15600円

タクシー代(クラビ・アオナン間往復)1000Bt÷2=500bt=1500円

自宅・関空(MK+はるか)=約6000円

空港利用料:400Bt=1200円

食費:3577Bt(朝昼夜とも。朝食はコンビニで買ったパンジュースなど)

=10731円  おみやげ:525Bt=1575円

その他:250Bt   合計=128,486円(他 保険代10000円)

その他

 宿に関しては、トンサイに泊まっていたK村さんとM旗さんのバンガローは2800Btであるが、
バイキングの朝食付きで部屋も広く4人ぐらい泊まれそう。
新しくエアコンテレビ温水シャワー冷蔵庫とうらやましかった。
津波被害2年目であるが、アオナンは被害も少なくあまり追悼ムードはなかった。
テレビでも昨年は繰り返し放送されたのに今年はいまいち。
新聞で少し連載特集記事がある程度であった。
被害の大きかったピピ島などはちがうのかも。

 大晦日バンコクで爆破テロがあったが、特に影響はなかった。
空港でもセキュリティーが厳しくなるわけでもなく。
しかし、帰りの国際線。電光掲示板で搭乗口を確認し、2時間前に到着。
ベンチでごろ寝して待っていた。
我々がくる直前に大阪行きが出発したので、安心しきっていた。
日本人もいっぱい集まってくるし。
ところが、搭乗直前、チケットを見せると「はあ〜!?」と大声をだされた。
「やった!ダブルブッキングでビジネスクラスかな?」と喜んだら、
「ここは名古屋行き。大阪行きは搭乗口C1!」と言われた。
時計を見ると、出発時刻。後ろにならんでるおっさんはニヤニヤ笑っていた。
急いで慌てて、焦って駆け込むと、飛行機に行くバスのドアがしまる直前であった。
搭乗口変更のアナウンスもないし、掲示板もなし。まさかのところでドボンするところであった。
油断大敵。また、帰国1日前には、我が家に○Kタクシーから電話があり、嫁さんが受けた。
「栗原様は、きょう帰国ではないのですか?」一日間違って予約していた。
ああ、恥ずかしい。


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おまけ(北海道・小樽赤岩、青巌峡ツアー)

8月13日

 旅行会社のレンタカー付きフリープランを利用。車種指定はできなかったが、
申し込み時にひたすらホンダのフィットとカウンターで繰り返したら、
空港で案内された車はフィットだった。
言ってみるものである。旭川空港へ。
天候によりエリアが選べるので旭川を利用。ホテルで一泊。
夕食の馬刺し(九州産)が美味であった。

8月14日  午後

青巌峡

 いきなり救急車の音。嫌な感じ。
案の定岩場へ。
グランドフォール。
どうやらビレイミスらしい。
自力で歩けるようだが心配だ。
気を取り直してとりつく。

バカにするぜ(5.10A)でアップ。
ジェロニモ(5.11A)父 ヌンチャク掛けのあと2撃。
息子はF。
この日はライダーハウスに泊まる予定であったが、ライダーは夜の宴会がにぎやかなのでパス。
思わず、沙流川温泉ひだか高原荘に泊まる。バイキング朝食付きで4700円ぐらい。温泉もよい。

8月15日

青巌峡

 ニンジン(5.9)でアップ。アスピリン片手に(5.11A)にトライ。
途中で急に細かくなり、敗退。
ワンダーガール(5.11A)にトライ。
息子2撃と思いきや、地元の人に限定ホールドを指摘され息子へこむ。
父はその限定を知ったあとRP。3撃。
しかし、ジェロニモなどは横の大ガバに逃げてもも
OKで限定とかよくわからん。
沙流川キャンプ場車中泊。約300円快適なキャンプ場。
温泉もあるし、キャンパーのマナーもよく静かである。

8月16日

雨。北海道で唯一はれている小樽赤岩へ。
午後着。
44フェイスへ。
蚊が多く、スズメ蜂もいる。
追っ払ったら仲間をつれて一日しつこくつきまとってきた。
名古屋のクライマーと出会う。
車中泊は暑すぎるとのこと。
おはよう(5.9)でアップ。
For the fire fighters(5.11a)父MO/Sならず2撃。息子F。
夜は小樽の旅人宿「いちえ」。
やはり、とほ宿は楽しい。
夜の宴会はちょっと飲み過ぎ。
紹介して貰った青塚食堂で夕食。
味噌汁には小さいホタテ貝が8つも入っていた。
港のそばの民宿食堂で刺身やほっけ定食などは最高。もう一度行きたい。

8月17日

小樽赤岩。おやすみ(5.10A)でアップ。
ベルボトム(5.11b)息子ヌンチャク掛け。2撃。父3便出すもRPならず。
出会った地元おじさんクライマーに「また、小樽に来いというこった。」と慰められる。
銭函のとほ宿「小さな旅の博物館」へ。
大広間には漫画がいっぱい、ギターもあってベランダでひたすら弾いていた。
この宿は前泊した「いちえ」のおばちゃんに
「栗原さん、あそこに泊まったら次の日は何もできないわよ。」と脅かされていた宿。
予想通りの夜の大宴会。
酒はみんなのもちより。
自己紹介のあと、フォークソング好きの主人と私がともにギター片手に
歌集の歌をみんなで歌いまくり呑みまくり。
歌声喫茶の乗りである。
相部屋の人と話をする。
「速すぎる旅はおもしろくない。スーパーカブぐらいがいい。」
なるほど、とほ宿にはライダー、チャリダー、JRーなどほんとに旅の好きな人が集まる。
主人は、SLが好きみたいで、部屋中に写真が飾ってあった。
元SL少年としては心躍る宿であった。

8月18日

恒例の見送りをうけて、旭川へ。途中温泉にはいったり富良野へ寄り道したり。

★青巌峡横の道は工事中で登れない岩もあったが、完成後は車止めのスペースができる予定。
行政の理解大。公衆電話やトイレも近くにあり、地元クライマーの努力のたまもの。すばらしい。
感謝。



おまけのおまけ(十石峠)

8月7日−10日

乙女の森キャンプ場のバンガローは快適であった。
しかし、メインの岩場(バンピースパイヤー)へのアプローチ入り口には登攀禁止の看板が。
「危険につき」とある。直前の集中豪雨の影響か?はたまた事故か?
しかたなくひらめ岩かえる岩のほうへ。
アプローチは夏草が茂り煩わしい。
蚊も大量。
イレブンへの道(5.11A)は名前とはうらはらになかなかのくせ者。
終了点直下でフォール。
ボルトの数がトポとは大違い。
レインボーダンス(5.10d)は快適であった。
弥七(5.11b)は下部の核心ポケットを取りにいくのが厳しく敗退。
もう1本のひらめの縁側(5.11A)は楽しい。
上部のエリア(エイプリルロック)にも行こうとしたが、アプローチ悪すぎであった。