【豊島ミホさんのページ】

          【著者略歴】
秋田県・稲川町(現湯沢市)生まれ、秋田県立横手高等学校早稲田大学第二文学部卒。
大学在学中の2002年、『青空チェリー』で「女による女のための『R-18』文学賞(読者賞)」を受賞してデビュー。
『青空チェリー』  ★★★ 2002年:(新潮社)、2005年:文庫本 (新潮文庫)
『日傘のお兄さん』 ★★★☆ 2004年:(新潮社)、2007年:文庫本 (新潮文庫)
『ブルースノウ・ワルツ』  未読 2004年:(講談社)
『檸檬のころ』  ★★★★ 2005年:(幻冬舎) 映画化され、2007年3月公開 2007年:文庫本(幻冬舎文庫)
『陽の子雨の子』 未読 2006年:(講談社)
『夜の朝顔』  ★★★★★ 2006年:(集英社)
『エバーグリーン』 ★★★☆ 2006年:(双葉社)
『底辺女子高生』  ★★★★ 2006年:(幻冬舎文庫)
『神田川デイズ』 ★★★☆ 2007年:(角川書店)
『ぽろぽろドール』 未読 2007年:(幻冬舎)
2008年3月1日(土曜)

「青空チェリー」豊島ミホ(新潮文庫)

内容 豊島ミホ初期短編集
一般的面白さ ★★★
個人的趣味 ★★★☆
キャラクター ★★★☆
ストーリー ★★★
点数 78点
気分
オススメ ★★★
他の作品に比べると、魅力はイマイチだけど。
でも、この作品によりデビューしたことを考えると、重要な作品。
既刊で筆者の好みは・・・
(1)「夜の朝顔」
(2)「檸檬の頃」
(3)「エバーグリーン」
・・・の順位かな。
2008年1月14日(月曜)

「日傘のお兄さん」豊島ミホ(新潮文庫)
面白さ
内容 短編集
点数 81点
気分 けっこうバラバラな味付け作品
オススメ
これを読むと、まだまだ収納箱を心に持っていることが分かる。
一概に言えない価値観。
著者の意気込みが感じられる。
こう言うのか好き、
こんなのが書きたい、って。
世俗的で叙情派で・・・。
今回の文庫化にあたって、相当書き直したそうだ。

2007年6月20日(水曜)

「神田川デイズ」豊島ミホ(角川書店)
豊島ミホさんらしい青春小説。
連作長編。
章が変わるごとに主人公も変わる。
前章で、脇役だった人が次章で主人公になったり。
共通して言えるのは、「サエない主人公のサエない大学生活」。
この手の作品を書かせると巧い。
自分の大学時代を思い出しながら読んだ。
2007年4月22日(日曜)

「エバーグリーン」豊島ミホ(双葉社)

やはりおもしろかった。
中学生だった2人は卒業式の日、10年後の再会を約束する。
はたして2人は夢を実現できたのか?
最初の約60ページが中学時代。
残り200ページが10年後の現代。
文章うまいよ、あたりまえだけど。
夢を実現できる人は少ない。
じゃあ、実現できなかったヤツはどうしたらいいんだ?
どうやって生きていくんだ?
再会のシーン・・・よかった。

PS
シンの今の彼女・奈月はアヤのこと、きっと気づいてる、と思うよ。
カンよさそうだから。
知ってて「プロフィール」見せた、と思うよ。
2007年4月1日(日曜日)

「檸檬の頃」豊島ミホ(幻冬舎文庫)

おもしろい、よかった!
「夜の朝顔」もよかったが、これも同じくらいよかった。
「夜の朝顔」「永遠の出口」(森絵都)に匹敵する作品なら、
「檸檬の頃」「放課後の音符」(山田詠美)に匹敵する作品。
(ちょっとほめすぎ?)
でも、それぐらいの実力を感じる。
「ただものじゃないぞ」、って感じ。
東北の高校を舞台にした短編集。
全部で7編。
ハズレはない。
タイトルどおり「あまずっぱい」香りの「檸檬の頃」のエピソードの数々。
様々な登場人物が「語る」。
それぞれが微妙に関係している。
作中に登場する小嶋智が著者の分身と思われる。
映画化もされたので、一気に人気が出るかも。

今までの作品は、著者の経験や友人、同級生、身近な人が中心の物語。
今後はどういう方向で行くのだろうか?
「資料を集め、取材をして作品を書く」、って方向に行くのだろうか?
もしそうなら、そちらも興味がある。
作家であり続けるのは難しい。
今、25歳くらいのはず。
10年後はどうなっているのだろうか?
良質の作品を生産続けている、と私は信じている。

【参考】
 →映画公式サイト
先週末くらいからロードショウ公開。
今のところ関東方面のみの公開。
大阪に来るのだろうか?
2007年3月9日(金曜)

「夜の朝顔」豊島ミホ(集英社)

若いのにレベルが高い。
ひじょうに巧い。
小学校1年から6年までのエピソードが全7章連作長編、となっている。
「5月の虫歯」が書き下ろしでプラスされている。
(・・・この章、泣けるよ)
「理屈じゃない」、ってところをうまく突いている。
この作品に近いのは、名作「永遠の出口」(森絵都)でしょう。
まぁ、読んでみてよ。
おもしろさを保証しましょう。

【参考】(1)著者へのインタビュー
第55回 : 豊島 ミホさん

【参考】(2)著者自身のブログ
告知板としま

PS
豊島ミホさんの大学後輩(1学年下)が綿矢りささんである。
綿矢さんの方が美人でカワイイかもしれないが、
作家は外見ではない(たぶん)。
作品で勝負(と、思いたい)。
私の判断では、豊島ミホさんの方が実力ある。
はるかにおもしろい。
2006年10月10日(火曜)晴れ

「底辺女子高生」豊島ミホ(幻冬舎文庫)

これはよかった。
おもしろい。
以前、雑誌で豊島ミホさんの文章を読んだことがある。
「なかなか面白い文章」、と印象が残った。
それが今回の「底辺女子高生」を読むきっかけになった。
私の印象は間違っていなかった。
自分自身や周りへの距離の取り方、接し方が絶妙。
若いのに、うまい。
他の作品も何冊か読んでみよう、と思う。
(また、そう思わせる何かがある)
将来有望かも?
告知板としま(本人ブログ)
作家の読書道55回;本人へのインタビュー
東京美入野同窓会(秋田県立横手高校同窓会);本人へのインタビュー
豊島ミホ - Wikipedia