「ハンニバル」覚書

「ハンニバル」は「羊たちの沈黙」の続編だ!

 あれから7年後の設定。

クラリスもベテラン捜査員。

射撃の腕は抜群で、FBIでの大会でも何度も優勝するほど。

ある日、犯人逮捕のため誤って多くの人を撃ち殺してしまう。

マスコミには叩かれ、FBIからも査問を受け厳しい追及を受ける。

そこへクラリスを慰めるレクター博士からの手紙が…。

 
さて、「羊たちの沈黙」では、

「ここはもうキャンザスじゃないんだ」と言うレクター博士の言葉から、

これは「オズの魔法使い」を下敷きにしている―――と言われたが、

この評論は当たっているのだろうか?

「オズの魔法使い」はアメリカでは日本人が考えている以上に、

国民的な作品のように思われる。

映画「マトリックス」でも、

“It means buckle your seat belt, Dorothy. `Cause Kansas is going bye-bye.”
「ドロシー、シートベルトを締めるんだ、さようならキャンザスってね」

と、引用されている。

(ドロシーはもちろん「オズの魔法使い」のヒロインの名前)

だから、「ここはもうキャンザスじゃないんだ」と言う台詞だけで、

「オズの魔法使い」を下敷きにしている―――と決めつける必要はないのでは?

どちらかと言うと、

クロフォード、レクター博士、クラリス捜査官の「恋愛三角関係」―――

と言う評論の方が当たっているように感じた。

ちなみに、「マトリックス」の導入部分で、

「白いウサギ」を追うシーン、

これは、「不思議の国のアリス」導入部と同じ。

これから現実世界から乖離していく暗示として効果的。

海外の作品は、小説であれ、映画であれ

@聖書

Aマザーグース

Bシェイクスピア

Cギリシャローマ神話

以外にも「オズの魔法使い」「不思議の国のアリス」あたりが

我々東洋人には知識として必要なのだろうか?