【著者略歴】 1971年、東京都生まれ。 2002年(第26回)講談社漫画賞少女部門受賞。(『西洋骨董洋菓子店』) 2006年『大奥』第一巻で第5回(2005年度)センスオブジェンダー賞特別賞、 第10回(平成18年度)文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。 【参考】 講談社漫画賞 センス・オブ・ジェンダー賞 文化庁メディア芸術祭 The Fumi Yoshinaga Resource Index(ファンサイト) よしながふみ - Wikipedia |
月とサンダル(1) | ★★★☆ | (芳文社) | 1996.3 | * |
本当に、やさしい | −−− | (ビブロス) | 1997.3 | 絶版 |
ソルフェージュ | −−− | (芳文社) | 1998.2 | 初期短編集、一部が文庫本「ソルフェージュ」になった |
1限めはやる気の民法(1) | −−− | (ビブロス) | 1998.7 | 絶版 |
こどもの体温 | ★★★★ | (新書館) | 1998.8 | * |
愛とは夜に気付くもの | −−− | (ビブロス) | 1999.3 | 絶版・・・2007.1、リブレ出版により復刻 |
彼は花園で夢を見る | ★★★ | (新書館) | 1999.10 | * |
月とサンダル(2) | ★★★ | (芳文社) | 2000.2 | * |
ジェラールとジャック(1) | −−− | (ビブロス) | 2000.2 | 文庫本で(1)(2)がまとめられた |
西洋骨董洋菓子店(1) | ★★★★☆ | (新書館) | 2000.6 | * |
ジェラールとジャック(2) | −−− | (ビブロス) | 2001.4 | 文庫本で(1)(2)がまとめられた |
西洋骨董洋菓子店(2) | ★★★★☆ | (新書館) | 2001.5 | * |
西洋骨董洋菓子店(3) | ★★★★☆ | (新書館) | 2001.12 | * |
1限めはやる気の民法(2) | −−− | (ビブロス) | 2002.3 | 絶版 |
こどもの体温(ハードカバー版) | ★★★★ | (新書館) | 2002.6 | 1998.8のハードカバー版 |
西洋骨董洋菓子店(4) | ★★★★☆ | (新書館) | 2002.10 | * |
愛すべき娘たち | ★★★★★ | (白泉社) | 2003.12 | * |
それを言ったらおしまいよ | ★★★ | (太田出版) | 2004.2 | * |
フラワーオブライフ(1) | ★★★★★ | (新書館) | 2004.5 | * |
ジェラールとジャック | 未読 | (白泉社文庫) | 2004.5 | 単行本「ジェラールとジャック」(1)(2)がまとめられた |
ソルフェージュ | ★★★★☆ | (白泉社文庫) | 2004.11 | 「本当に、やさしい」の一部と「ソルフェージュ」がまとめられた |
愛がなくても喰ってゆけます。 | ★★★☆ | (太田出版) | 2005.5 | * |
フラワーオブライフ(2) | ★★★★★ | (新書館) | 2005.6 | * |
大奥(1) | ★★★★★ | (白泉社) | 2005.9 | * |
執事の分際 | ★★★ | (白泉社文庫) | 2005.11 | 「本当に、やさしい」の一部と「愛とは夜に気付くもの」の文庫化、 クロードとアントワーヌの話がまとまった。 |
フラワーオブライフ(3) | ★★★★★ | (新書館) | 2006.4 | * |
大奥(2) | ★★★★★ | (白泉社) | 2006.11 | * |
愛とは夜に気付くもの | ★★★ | (リブレ出版) | 2007.1 | 1999年ビブロス版の復刻リバイバル、 文庫版「執事の分際」と重複するので文庫版でOK |
フラワーオブライフ(4) | ★★★★★ | (新書館) | 2007.6 | * |
あのひととここだけのおしゃべり | ★★★★☆ | (太田出版) | 2007.10 | * |
きのう何食べた?(1) | ★★★★★ | (講談社) | 2007.11 | *【参考】・きのう何食べた?ブログ |
大奥(3) | ★★★★☆ | (白泉社) | 2007.12 | * |
大奥(4) | ★★★★☆ | (白泉社) | 2008.12 | |
きのう何食べた?(2) | ★★★★★ | (講談社) | 2008.11 | |
きのう何食べた?(3) | ★★★★★ | (講談社) | 2009.10 |
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2009年10月26日 「きのう何食べた?」(3)よしながふみ(講談社)
おもしろい。 あっさり書かれているけど、レベルが高い。 日常の細々としたことをリアルに描写。 大きな事件は起こらない。 でも、ドラマはある。 |
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2009年1月10日 「大奥」(4)よしながふみ(白泉社) * 忙しかったのか、詳細紹介無し |
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2008年11月30日(日曜) 「きのう何食べた?」(2)よしながふみ(講談社)
昨年末発売された作品の2巻目。 弁護士の仕事と生活を描いている。 生活は料理が中心に描かれる。 非常に日常的、と思われるだろうが、 この主人公がゲイで、ルームメイトも当然そっちの人。 家族や、職場の人、近所の人、と丁寧に描写されているのが好感。 特に、料理と生活、ストーリーがリンクして展開するのが、よしながさんの味。 2巻目もいい感じだ。 |
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2007年12月24日(月曜) 「大奥」(3)よしながふみ(白泉社)
歴史の逆説を提示しながらも、 皮肉な結果を導き出している。 隠れたテーマ、フェミニズムとジェンダーが表面に出てきた。 でも、娯楽として楽しめる。 読んでみて。 |
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2007年12月5日(曜) 「きのう何食べた?」(1)よしながふみ(講談社)
これはいいよ。 淡々と日常が描かれているが、 その平凡な中にもドラマがある。 主人公男性2人の関係がいい。 定石として対照的なキャラ設定だけど、2人とも好感が持てる。 家族との関係、職場の人間関係もきちんと描かれている。 (これは簡単のようで、なかなか出来ないよ) 主婦キャラ佳代子さんも、作品の中で安定感を与え、平凡だけど好ましい。 シリーズ1作目として快調な出だし。 次作が楽しみだ。 PS 吉田秋生さんのコメディタッチ作品を彷彿させるが、 料理へのこだわりが、よしながさんらしくて良い。 PS2 中野京子さんがブログで5代目市川団十郎さんの句を紹介されいている・・・ 「楽しみは春の桜に秋の月、夫婦なかよく3度食う飯」 ・・・なんとなく、この作品に合っているように感じる。 【参考】 「幸せはいつも3月花のころ・・・」 *【参考】 きのう何食べた?ブログ |
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2007年11月28日(水曜) 「あのひととここだけのおしゃべり」よしながふみ(太田出版)
圧倒される、ただ圧倒される、ひたすら圧倒される。 この濃厚な言葉の数々。 そうだったのか、と膝をうち、 なるほど、と目から鱗が落ち、 そういう見方があるのか、と開眼する。 お互い創作者同士の対談なので、表現が巧い。 羽海野チカさんとの対談が好き。 賛否両論のエンディングについても説明されている。 真山と理花さんの関係がアンドレとオスカル、ってのも説得力がある。 さて、いろんな方と対談されいるが、 残念なのは山岸凉子さんとの対談がない、ってこと。 ホント、残念。 アラベスクからテレプシコーラまでしゃべりつくしてほしかった。 |
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「それを言ったらおしまいよ」よしながふみ(太田出版) 「月とサンダル」(1)(2)よしながふみ(方文社) 「彼は花園で夢を見る」よしながふみ(新書館) 「執事の分際」よしながふみ(白泉社文庫) 「愛とは夜に気付くもの」よしながふみ(リブレ) このあたりになると、よしなが作品でもマニア濃度が高くなってくる。 私も少ししんどい。 「それを言ったらおしまいよ」と「月とサンダル」(2)はキツイ。 「彼は花園で夢を見る」は、まだメルヘン風。 文庫本「執事の分際」は「愛とは夜に気付くもの」と重複する。 「本当に、やさしい」の一部と「愛とは夜に気付くもの」の文庫化。 クロードとアントワーヌの話がまとまった。 ![]() ![]() ![]() |
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「大奥」(1)(2)よしながふみ(白泉社) 江戸・徳川政権大奥が舞台。 ただし、状況は異なる。 将軍は女、大奥には美男3000人。 これには理由がある。 伝染病により、男子の数のみ激減。 男女の役割が逆転し、将軍職も女性が継ぐことになる。 (1)巻は6代将軍家宣、7代家継、8代吉宗の大奥が時代背景。 婚姻制度が崩壊し、一部の富裕な女性のみ婚姻が許される。 物語は貧乏旗本と裕福な商家の跡取り娘の恋物語。 この貧乏旗本が「女人禁制男の城」大奥に奉公するところから始まる。 大奥での陰湿な男同士のいじめ、嫉妬、 このエンディングはみごと。 また、次巻にもつながるストーリー構成。 (2)巻は春日局の時代。 どのようにして将軍職が男性から女性に引き継がれたのか? 3代将軍家光の時代が舞台。 慶光院新院主・有功が跡目相続の御礼に江戸城に登城。 春日局により、還俗し小姓となるよう強要される。 史実とフィクションが交錯する。 よしながふみさんが「純愛」を描くとこうなる、って作品。 さすがに屈折している。 PS 思い出すのが「徳川の夫人たち」(吉屋信子)だ。 この作品をふまえて「大奥」を読むと(より)興味深い。 ただし、「徳川の夫人たち」で気に入っているセリフ・・・ 「青海波を銀の地摺りに・・・」はなかったが。 PS 2006年『大奥』第一巻で第5回(2005年度)センスオブジェンダー賞特別賞。 |
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2007年7月27日(日曜) 「こどもの体温」よしながふみ(新書館) 導入が巧い。 みごと! さて、物語は父子家庭の酒井家が中心。 ・・・とは言え、回によっては単なる狂言回しだったりもする。 中学生・紘一君の視点が貫かれているわけでもない。 でも、5話(+1話のおまけ)で調和がある。 良くできた作品集。 レベルは高い。 |
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2007年7月27日(日曜) 「愛すべき娘たち」よしながふみ(白泉社) いままで、これほど巧いと感じたのは吉田秋生さんくらい。 つまり、この作家さんは、とんでもなく巧い。 (山岸凉子さんは別、御神体だから) 心理描写では最上位クラスでしょう。 描画力も伴っているし。 女性作家の作品は情緒で推す作品が多い。 良くも悪しくも。 (だから芥川賞とかの評価が「みずみずしい感性」、なんて書かれるのだ) でも、論理もある作家もある 情緒+論理で敵なし。 今回のテーマは母親と娘・・・家族が中心になっている。 このテーマは昔、樹村みのりさんも取り上げていたけれど、時代背景もあって内容は硬かった。 さて、よしながふみ作品はどうか? 情緒+論理+本能の3段構え。 これはすごい! 特に第3話(前・後編)が秀逸。 このエンディングは意表をつく。 私も過去何年も、様々な作品を読んできたが、このエンディングは初めて。 フツー男女の話を描いたら、結末は××か××でしょう。 まさか、××とは! (伏字ばかりでスマン) 第4話も重厚で好み。 短い中に3代にわたる女性を描いている。 すばらしい内容。 PS この作品が一番一般受けするかも。 もちろんマニアの方にもOK。 |
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2007年7月27日(日曜) 「西洋骨董洋菓子店」(全4巻)よしながふみ(新書館) ドラマ化されてので有名? 作品は知っていたけれど、ドラマ化は知らなかった。 内容はマニア向け、と思われる。 でも、一般受けする部分もしっかり残している。 土台となる洋菓子描写がしっかりして、作品に安定感を与えている。 とりとめもないストーリーに見えるが、一貫性がある。 過去と現在が交錯する。 みごと! どうして洋菓子なのか? これも必然性があり、ストーリーの中で語られる。 洋菓子と過去の誘拐事件。 そして、現在に起こる殺人事件。 みごとなストーリー展開。 PS1 殺人事件や誘拐事件がメインではない。 縦糸ではあるが、すべてではない。 キャラどうしの絡み、枝葉末節のこだわりがおもしろい。 誤解を避けるため書いておく。 PS2 一般受けするように描いてくれているが、 ある程度の「読み手」でないと理解、あるいは面白さを感じ取れない、かも? つまり読者の熟達度も要求される。 さて、同じよしなが作品「フラワーオブライフ」と比べるとどうだろう。 キャラ設定では、「フラワーオブライフ」オールスター豪華出演に及ばない。 かゆいところに手がとどく感覚、って言うか。 もし、初めてよしなが作品を読むなら「フラワーオブライフ」を薦める。 あるいは「愛すべき娘たち」も良い。 PS3 「よしながふみ作品」での「西洋骨董洋菓子店」評価, ★★★★★ではなく★★★★☆になっている。 なぜか? なぜ★半分少ないのか? 萌えキャラがいないから。 (メインキャラが男性ばかり・・・つまらん!) |
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2007年7月22日(日曜) 「愛がなくても喰ってゆけます。」よしながふみ(太田出版) 「フラワーオブライフ」でも感じた。 「料理にこだわりがあるな」、と。 (言い換えれば、食い物に執着してる) この作品を読んで納得。 料理に関して蘊蓄が語られる。 そして料理と一緒に著者の「男性観」も盛り込まれている。 作中の著者らしいセリフを下記に引用する。 以下、T井、S原、Yなが、3人の会話。 T井「バカな女は嫌いだ。まあそれで後はしっかり者でやさしくて可愛い女なら誰でもいいよ」 S原「や、それT井さん絶対いないから!」 T井「何よ」 Yなが「それはですね・・・いつまでも少年のような部分もありつつ基本的にはちゃんと大人で いざというときに頼りがいがあって、ちょっとワイルドだけど 普段はあたしのわがままもしょーがないなあって 聞いてくれるよーなナルシストじゃないのに己の身なりに気を遣える男くらいに難しいのよ・・・」 S原「だから可愛い女はバカだし!しっかりした女はたいがいガンコで こっちの思う通りにはなりゃしませんって!」 以上、引用終わり。 どうですか? こんなセリフがフツーに出てくるのが、よしなが作品の魅力である。 |
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2007年7月22日(日曜) 「ソルフェージュ」よしながふみ(白泉社文庫) 短編集。 レベルが高く、濃度が高い。 BLなので読者を選ぶかも。 でも、泣けた。 (この作品を涙なしに読めるヤツいる?) 男性キャラも魅力だけれど、「津守」のキャラがいい。 ほんといいよ! これが作品に幅と厚みをだしている著者の魅力。 これが実力、ってもんでしょう。 |
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2007年7月16日(月曜)-2 「フラワーオブライフ」(全4巻)よしながふみ(新書館) 荻原規子さんがアンダンテ日記で薦められていたので読んでみた。 (参考→フラワー・オブ・ライフ) よかった! 面白かった! 平凡な学園ライフを描くことほど難しいことはない。 カレーライスやチャーハンでも、『作る人が作るとこうなる』、って見本。 料理(作品)って、素材(キャラ)と味付け(演出/ネーム)なのだ。 クラスメートの1人1人を丁寧に描き分けている。 (どのキャラも濃いし、親しみを感じる) 24年組以外でも読む値打ちのある作家が増えてきた。 佐々木倫子さん 羽海野チカさん 二ノ宮知子さん そして今回の、よしながふみさんだ。 さっそく読んでみてください。 おもしろさを保証しましょう。 【参考】 第1巻 :2004 5月10日発行 第2巻 :2005 6月10日発行 第3巻 :2006 4月25日発行 第4巻 :2007 6月15日発行 →フラワー・オブ・ライフ →よしながふみ PS1 読む前に注意。 様々な「お約束」の上に物語がある。 知らなくても良いが、知っていた方が楽しめる。 また、よしなが作品はBLが多い。 今回は全面に出てないが、隠れテーマとしてBLを理解しておく必要がある。 →イメージ1 →イメージ2 →イメージ3 →イメージ4 PS2 吉田秋生さんの「楽園シリーズ」を思い出した。 レベルとしては同じくらい。 (つまりトップクラス、ってことだ) 「河よりも長くゆるやかに」も思い出した。 PS3 第一巻P124に名作として次の作品を挙げている。 解らない方のために説明しておく。 「カラスのごめん」→「ガラスの仮面」(美内すずえさんの大作。「花とゆめ」創刊号は、これと「アラベスク」第二部) 「イチゴフィッシュ」→「バナナフィッシュ」(吉田秋生さんの長編。アッシュには根強いファンがいる) 「トールの腎臓」→「トーマの心臓」(萩尾望都さんの名作。元祖BL?でも、「グリーン・カーネーション」がある) 「いただけない瞳」→「いたいけな瞳」(吉野朔実さんの作品・・・実は、読んでない) 「六つのエメラルド」→「七つの黄金郷」(これは山本鈴美香さん未完の大作。私もかつてMCで集めていた) PS4 TV、映画等の映像化は難しいでしょうね。 本来のおもしろさが半減するかも。 PS5 全4巻のうち、最初の2冊はなじみの書店で購入。 後半2冊がなかなか見つからず、梅田まで出向いた。 グランドビル30階コミック専門店。 さすがに、ここにはあった。 よしなが作品のコーナーまであった。 ・・・でも、BLコーナーだった! (個人的には、このコーナーの前に立つことさえ抵抗を感じる) なんとかならないか。 (ならないでしょうねぇ・・・) |