「生活と覚書(文化・読書編)」   
【ぐーたら文化生活2005】

読書のページ クライミングのページ 「生活と覚書(文化・読書編)」 「生活と覚書(クライミング編)」 「情報・リンクのページ」
2005年12月25(日曜)晴れ

「キャットストリート」(3)神尾葉子(集英社)
「ピアノの森」(11)一色まこと(講談社)
「イヴの眠り」(5)吉田秋生(小学館)
「未来の白地図」今野緒雪(集英社)


【読書編】の更新が無くてすみません。
忙しかった、のです。
読むヒマもないし、書くヒマもない。
平日は残業、日曜はクライミング。
来年1月から少しは落ちついて読書生活に戻れるか?
(自然の岩は休んで、ジム練習になるし)

前置きは、これくらいにして・・・
「キャットストリート」(3)が出た。
やはりおもしろい。
ツボを知っている・・・この著者!
難を言うなら、絵がうますぎる。
(くらもちふさこさん同様、絵がうますぎて感情移入しにくい・・・時もある)

「ピアノの森」(11)・・・連載は快調?
だいぶ休載してたけど、順調な様子。
(11)が出て嬉しい。
二ノ宮知子さんと同様、絵で音を表現するのがうまい。

「イヴの眠り」(5)
驚いた。
これで完結!
もっと続くと思っていたのに。
タイトルの意味がやっと解った。
ストーリーの中で解明される。
(読んでみてください)

「未来の白地図」
「マリみて」シリーズ最新刊発売!
待ってました。
とうとう本流が流れ出した。
祐巳ちゃんの「妹」問題。
一波乱ありそう・・・。
また、泣けるシーンが出てくるかも。
以前、「妹」は瞳子と予想したが、この作品を読む限りでは、その線・・・濃厚。
どうだ!私の予測どおりじゃ・・・えらい。(自画自賛)
ところで、このシリーズ、って時々一人称になることがあるが、
瞳子の一人称は今のところない(はず)。
理由は・・・今後の展開のネタバレになるから・・・でしょう。
瞳子は祐巳ちゃんが大好きなはず、だから。
(これって、「夢見」と「しーの」関係に似てる)
・・・でも、9ページの独白、って瞳子じゃない?
それなら本シリーズ初の快挙?!
どうでしょう。

以下、情報。
(上記と関係あるのも、無いのもある)

【マリみて関連のコラム】
http://media.excite.co.jp/book/news/topics/012/index.html

【現代作家ガイド・・・氷室冴子】
http://www.excite.co.jp/book/guide/profile_148.html

【参考ページ】
現代作家ガイド」
【日刊!ニュースな本棚

【バックナンバー】
【以前のバックナンバー】
【ニュース】


「YOUNG YOU」が休刊になるらしい。
驚いた。
http://youngyou.shueisha.co.jp/01magazin/new04/index.html
気になるのは「ハチクロ」
「YOUNG YOU」から「コーラス」に移行するらしい。
下記を参考に。

【「エイラ」シリーズ第5部本邦初訳で刊行開始!】
【参考URL】
http://www.shueisha.co.jp/home-sha/ayla/

***
PS
「リンクページ」を整理したので、ご確認下さい。
さて、今回が今年最後の更新です。
皆さん、良いお年をお迎え下さい。
では、また来年!


2005年12月17(土曜)曇り

ファンタジー職業適性診断、ってのがある。
おもしろいので紹介する。(リンクページにも載せた)
ちなみに、私もやってみたが、以下の診断が下された。
以下診断結果。

戦士レベル -3 あきらめましょう
盗賊レベル 1 努力すればなんとか
僧侶レベル 4 天性の才能あり
魔法使いレベル 5 天性の才能あり

占い師 「そなたに最も似合う職業は、他人のケアやサポートが得意な『呪術師』じゃ・・・以下略」

*感想・・・う〜ん、私は戦士に向いてないのか?
 なんとなくさびしい。
**クライミング仲間の皆さん、診断結果教えて下さい・・・会った時か、メールで。


2005年12月10(土曜)晴れ

「スターウォーズ/エピソード3」DVD
忙しくて観る暇がなかった。
発売と同時に観る準備をしていたのに。
やっと本日、観ることが出来た。
以下、感想。

ついに、ストーリーの全貌が明らかになった。
「なるほど、そうだったのか!」
ルークとレイアが誕生するシーン・・・心を動かされた。(感涙)
全エピソードの中でも、アクションシーンが最も多い、と思われるが、
それと同時にストーリーの陰影も深い。
白眉でしょう。
この作品が、単なるアクションでなく、
ダースベーダーの栄光、挫折、堕落、再生、改心のドラマであることが判明。
アナキンがダースベーダーに扮して登場したシーンは、
スタジオでも騒然となったらしい。
アナキンがいかに「鉄仮面」を被るに至ったか?
冒頭に戻る・・・全貌が明らかになる。
・・・長い道のりであった。


2005年11月30(水曜)晴れ

フレンズXシーズン(ファイナル)DVD発売
とうとうファイナルシーズン。
感無量。
とうとう終わってしまった。
さて、感想であるが・・・
この結末は不満じゃ!
レイチェルは**に**べきだった、と思う。
なぜ、こんな結末に?
画竜点睛を欠いてしまった。
皆バラバラになり、それぞれの道を歩み出す・・・って終わり方を希望する。


2005年11月24(木曜)晴れ

「喪の女王」(2)須賀しのぶ(集英社)
ユリ・スカナ編の(2)である。
カリエ2人目の子供を産む!
う〜ん、コバルトで2人も子供を産んだヒロインが、かつて存在したでしょうか?
(前代未聞じゃ!)
シリーズも16冊目。
(さらに外伝3冊+番外編2冊もあるし)
おもしろさ衰えるところを知らず・・・すごい。

「リアル」(5)井上雄彦(講談社)
単発でヤングジャンプに連載中の作品。
レベルが高い・・・絵もストーリーも。
車イスバスケを描くことで、障害問題を描き、
ひいては人間を描いている・・・深い作品だ。

「テレプシコーラ」(8)山岸凉子
説明不要。
問答無用の面白さ。
読むべし。
(*私の趣味は万人受けしない、為念)


2005年11月10(木曜)晴れ

(社団法人)読書推進運動協議会のHPが充実している。
イベントを記した「読書カレンダー」もあって便利。
一度ご覧下さい。
「読書週間のポスターもダウンロードできる。

「読書週間」
10/27〜11/9


2005年11月7(月曜)晴れ

「犯人に告ぐ」雫井脩介(双葉社)
人物の造形が良くできている。
伏線と展開も良好。
劇場型犯罪を逆手にとって、テレビを利用して犯人を追いつめていく。
ありそうでない、なさそうである・・・そんな話。
でも、展開はリアル。
自分の上司を嵌めるシーン・・・痛快じゃ。
(ハリウッド映画風伏線なので、多少紋切り型・・・でも面白い)
主人公の巻島をはじめ魅力キャラ多数出演。
特に神奈川県警1番の貧乏くじ男・小川刑事がいい!
2004年度文春ミステリベスト1に輝いた作品・・・納得の1冊である。

「ブルー・ロージズ」山岸凉子(文春文庫)
作者自選短編集。
初収録の作品もあるので購入した。
やはりレベルが高い。
初期の名作「学園のムフフフ」も収録されている。
実は、数ある山岸作品の中でも好みの一編・・・なのだ。


2005年11月3(木曜)晴れ

更新せずにすみません。
クライミングと読書は両立しませんね。
クライミングのモチが上がると、読書時間が減少します。
さて、福音館よりメールが届いた。
興味を引く箇所があったので、以下転載。

 『ぐりとぐら 絵はがきの本』刊行を記念して、福音館書店のホームページ会員に
登録していただいた方には、季節ごとにぐりとぐらからの楽しいグリーティング・
メールをお届けします。まだ会員登録していない方は、この機会にぜひご入会ください。

★くわしくはこちらから
http://www.fukuinkan.co.jp/ninkimono/gurigura/index.html#001


2005年10月21(金曜)晴れ

「グランド・フィナーレ」阿部和重(講談社)
今年度前期芥川賞受賞作品。
でも、これが直木賞受賞でもおかしくない。
境界線が崩れてきている。
さて、内容は第一部と第二部に分かれている。
なさけない主人公沢見氏が、どうして妻子と別れるにいたったか・・・が第一部。
田舎に帰り、第二の人生を歩むきっかけとなるイベントを中心・・・が第二部。
帯の文句が『文学が、ようやく阿部和重に追いついてた』、である。
帯のあおりなので、やはり少し大げさか?


2005年10月4(火曜)曇りのち雨

「死神の精度」伊坂幸太郎(文藝春秋)
連作長編で、6つの短編が収められている。
これは面白かった。
同著者の「重力ピエロ」「陽気なギャングが地球を回す」より面白かった。
「チルドレン」と比べたらどうかな?
・・・同じくらいのおもしろさか?
死神キャラのズレ具合がいい感じ。
ミステリーとして、謎解きも楽しめる。

.2005年10月2(日曜)曇り一時雨

「MONSTER」(全18巻)浦沢直樹(小学館)
遅ればせながら、名作の誉れ高い「MONSTER」を読んだ。
圧倒的な筆力である。
商業ベースの一般紙に、(ある意味マニアックな)このような作品が連載された日本の土壌、って!
作者の取材力、構成力に脱帽。
すべてを表現しない「表現力」もすばらしい。

2005年9月28日(水曜日)曇り

月曜深夜、関東より先に、関西テレビで「ハチクロ」最終回を迎えた。
2話連続で放送したから。

初回放送は、関東先行であったが、最終回は追い抜かした!
(得した気分?)
原作の忠実な再現であったが、動いて音が出るのがすばらしい。
(当たり前か?)

さて、アニメの話をもうひとつ。
10月8日(土曜)から「BL00D+」放映。
劇場版「BLOOD」は、押井守監督の弟子筋が作製し、レベルが高かった。
今回はどうだろう?
マニアックな部分は排除され、無難な内容になるか?
公式HPは次のとおり。
 
次はマンガの話。

白土三平さん画業50年記念出版・・・「決定版カムイ伝全集」全38巻9月末日より刊行開始。
平均400頁、定価1,260円。全巻揃って47,880円。
第3部の連載も再開!、との噂も?
う〜ん、待ち遠しい。
参考:http://www.shogakukan.co.jp/kamui/

2005年9月18日(日曜日)晴れ

「遠くにありて」近藤ようこ(小学館)

過去に読んだ近藤作品・・・「水鏡綺譚」「ルームメイツ」「アカシアの道」「移り気本気」

以上すべて「当たり!」だったので、上記作品を取り寄せて読んでみた。
さすがに水準以上だけど、「ルームメイツ」と比較すると、趣味じゃない。
ヒロインに感情移入できないせいか?
残念。



覚書
9月3日携帯
9月18日ADSL

2005年9月4日(日曜日)曇りのち雨

「喪の女王」(1)須賀しのぶ(集英社)
「ホムンクルス」(6)山本英夫(小学館)

「喪の女王」いよいよ最終章に入った
(1)は比較的平和のうちに終わるのかと思えば、最後にえらいことに・・・。
新たなキャラ誕生か

「ホムンクルス」は累計250万部突破。
(バスタオルプレゼント、とある・・・なぜにパスタオル?)
今回はホームレス・名越の過去が明らかになる!
しかし、結末は見えない。


2005年9月2日(金曜日)晴れ

「あたしのマブイを見ませんでしたか」池上永一(角川文庫)
池上永一氏の初期作品。
乙一氏の短編集に似た、奇妙・不思議テイスト。
異なる点は「沖縄テイスト」、ってこと。
日常を遙か逸脱した事件なのに、物語は淡々と展開する。
沖縄、ってことだけで、なぜか納得。
不思議な感性の短編集。


2005年8月31日(水曜日)曇り

《CDUメルケル党首、ストーンズから苦情》

珍しく政治ネタを書く。
ドイツ連邦議会(下院)が解散し、9月18日に総選挙を行う。
その場合、シュレーダー首相率いる与党・社会民主党(SPD)が破れ、
キリスト教民主同盟(CDU)のメルケル党首が勝利した場合、初の女性首相誕生となる。
最新の世論調査では、CDUと姉妹政党のキリスト教社会同盟(CSU)が合計支持率44%を獲得、
首相率いる与党・社会民主党(SPD)=27%=を大きく引き離している、とのこと。
そのメルケル党首がストーンズからクレームを付けられたらしい。
アンゲラ・メルケル党首の愛称はアンジー。
選挙キャンペーンでローリング・ストーンズの名曲「アンジー」(邦題:悲しみのアンジー)を使用したらしい。
選挙も含め、この行方どうなるのか?
クレームをつけられても、まだ使っている、って話だし。
この曲ミックジャガーのプライベートな失恋ソングなのに、選挙キャンペーンに合うのか?
政治ネタとは言え、ストーンズの事なので、書かせてもらった。
しかも、名曲「アンジー」だし。(御容赦)

詳細はこちら↓
http://www.sankei.co.jp/news/050823/bun022.htm


2005年8月28日(日曜日)晴れ
「正しい保健体育」みうらじゅん(理論社)
「風流江戸雀」杉浦日向子(新潮文庫)
正しい保健体育




「正しい保健体育」の表紙に欺されてはいけない。
著者はみうらじゅん氏である。
「こんな事、書いて良いの?」、って内容の性教育書。
逆説、比喩、警句、もっともらしいこと、ばかばかしい中に、本音が光る。
大人が読んだ場合面白いが、現役の青少年が読んだらどうなのだろう?
学校の保健の授業で、テキストにしていただきたい。
(教育委員会まっさお?)
しかし、天下の理論社がこの作品を出版したことの方が驚きだ。

「風流江戸雀」は、味わい深い作品。
古川柳が江戸を舞台に、表現される。
それが粋なんだよ。
卑俗な例をとりながらも、高尚な印象が残る。
人生の核心をついているからだろう。
おみごと!


2005年8月27日(土曜日)晴れ(パート2)
「ハチクロDVD」VOL(1)発売
大変丁寧な作りで、品質、価格共にgood。
最近の他アニメDVD・・・例えば「****」あたりと比較してもレベルが高い。
スタッフが優秀だから、でしょう。(愛情も感じられる)
脚本にしたって、1人の方が全エピソードを書いておられる。
他のアニメだと、1話ずつ脚本家が変わって、バラツキが出ている。
音楽も豪華スタッフ。
予算大丈夫か?
オープニング映像だけでも、かなり費用っていると思われるが。
さて、アニメ市場は圧倒的に男性社会・・・どこまで食い込めるか?


2005年8月27日(土曜日)晴れ

「フレンズ10thシーズン」解禁と聞いたので、予約に行ったら「まだ、ですよ」、って言われた。
レンタルのみ9月解禁で、発売日は未定らしい。
ガッカリ。
ところで、「ジェニファー・アニストンがブラピと離婚した」、と聞いた。
驚き。
5年間の結婚生活だったらしいが、長いと見るか、短いと見るか?


2005年8月25日(木曜日)曇り、台風大阪それる

「殺人者はそこにいる」新潮45編集部(新潮文庫)
ノンフィクション、殺人事件のレポート13編。
気が滅入ってくる。
どうしようもないヤツが、つぎつぎに登場する。
性悪説を信じてしまう。
死刑と無期懲役、こんなに格差があるなんて。
再犯率も高い。(特に性犯罪!)
性的なポテンシャルの高い人って、刑罰を与えても変わらない。
「バカは死ななきゃ治らない」、ってヤツ?
(以前から思っていたけど、民主主義って効率が悪すぎる)
もちろん、誰でも犯罪を犯す可能性はある。
殺意を覚える瞬間もあるだろうし、フトしたはずみ、ってのもある。
また、反省するのも人間である。
それにもかかわらず・・・。

参考図書
「戦後欲望史」赤塚行雄・・・戦後犯罪者列伝、秀作。惜しむらくは、90年代篇がない。
「汝を子に迎えん」松下竜一・・・ノンフィクション、殺人者を養子にする話。松下さんの佳作。
「氷点」「続氷点」三浦綾子・・・犯人の娘を養女に迎える。学生時代夢中になって読んだ。
「無知の涙」永山則夫・・・更生問題のテキストに使われているらしい。(残念ながら、未読)
他に、「死刑の理由」井上馨、「57人の死刑囚」大塚公子など。

PS
お気づきのとおり、このページにも「カウンター」を設置した。
理由は【覚書】(クライミング編)のカウント数と比較したいから。
私の推測では、このページを開く方、ほとんどいない・・・はず。
(クライミングページより更新してるんだけど)


2005年8月23日(火曜日)雨のち曇り

「ハチミツとクローバー」(8)羽海野チカ(集英社)

連載半ばで、すでに古典の風格。
ギャグも快調。
エピソードのひとつひとつが、本歌取りの対象となるくらい、完成度が高い。
やっぱり「古典」、でしょう。
枝葉末節オタクレベルのギャグにこだわりながら、ストーリーとしての大きなうねりもある。
キャラも(全員)立ってるし。
(ちょっと誉めすぎ?)
さて、今回感じたのは、そろそろ最終章を意識した展開、ってところ。
それぞれに大きな転換を迎えてきている。
続きをを見たいし、終わってほしくないし・・・。
この微妙なオヤジごころを察してくれ。(笑)

PS
なお、この#8にはカルタ付き初回限定バージョンもある。
1,200円+消費税。
増補はない、と思われるので、気になる方はこちらを購入しよう。
これこそ、この「古典」をリアルタイムで読んでいる者の特権か?
後世の者達に自慢しよう。


2005年8月22日(月曜日)晴れ

「女神の花嫁」(上)(中)(下)須賀しのぶ(集英社)
流血女神伝シリーズ・外伝である。
ヒロインはラクリゼ。
変わりますねぇ・・・雰囲気が。
ラクリゼがヒロインになると、物語が・・・暗くなる。
キャラが正反対だから当然?
でも、しぶといところは似ている。


2005年8月21日(日曜日)晴れ

「アカシアの道」近藤ようこ(青林工藝社)
「移り気本気」近藤ようこ(青林工藝社)
「母親の娘たち」樹村みのり(河出書房新社)


「アカシアの道」は、母娘の物語。
母娘が仲が良いとは限らない。
親は子どもを所有物として扱い、子どもは反発する。
経済的に独立するまで、親子は「時間」「空間」を共有せざるを得ず、「血」までも近い。
子どもは親を選べず、力もなく、親に依存せざるを得ない。
こうなると、仲がよい方が不思議である。
この物語は、母親に反発して出ていった娘が、家に戻らざるを得なくなった話。
母親がアルツに罹ったのだ。
痴呆状態が進行し、母親の世話のため仕事もできない。
この物語・・・救いはあるのか?
199ページ・・・う〜ん、近藤ようこさん・・・すごい。
(解説:赤木かん子さん)

「移り気本気」
は連作長編。
短編ごとに主人公が変わる。
平安寿子さんの「もっと、わたしを」のような感じ。
でも、こちらの方が発表がはやい。
89年〜90年に掛けてだから。
最終章の最後のページの言葉が印象。
・・・『わたしには孤独という幸福がある』
私も、今後これを座右銘とし、生活したい。
(かっこよすぎる?)

「母親の娘たち」

近藤ようこさんの作品を読んでいたら、急に読みかえしたくなった。
樹村みのりさんの作品は、「菜の花」の頃からよく読んだ。
出版された作品はすべて購入所持していたが、今回探してみても、見つからない作品が数冊ある。
まちがって、処分したのだろうか?
現在7冊しか見あたらない。(涙)
もう、入手困難でしょうね。
さて、この作品1984年発表である。
母娘の葛藤が縦糸に、女性間の友情を横糸に展開。
最後テンポが速くなって、ムリに終了した感じが残念。
描画は近藤ようこさんに比べて、少し硬い感じ。
でも、合っている。


2005年8月19日(金曜日)晴れ

ブックレビューガイド で、今年上半期『本の評判総合ランキング115』が発表された。
ちなみにベスト5は・・・
電車男
対岸の彼女
半島を出よ 上・下巻
グランド・フィナーレ

となり町戦争
って、とこです。

ぜひ、直接確認してみて下さい。
書評のカウント数なので、コマーシャリズムとは一線を画する内容。
2005年 上半期(1月〜6月)のヘッドラインも読みごたえあり。
内容が濃い。
*2005年 上半期 本の評判 総合ランキング 115*
*2005年上半期 本の評判 総合ランキングのベスト10の大解剖!*

*本と雑誌からみた2005年上半期の動向!!*
* 2005年 上半期のキーワード *



2005年8月16日(火曜日)晴れ

「帝国の娘」(前)(後)須賀しのぶ(集英社)
「砂の覇王」(1)〜(9)須賀しのぶ(集英社)
「暗き神の鎖」(前)(中)(後)須賀しのぶ(集英社)


お盆休みの大半を、上記シリーズを読むのに費やした。
さてこのシリーズ、以前からチェックはしていた。
なかなか、読むキッカケが得られなかったのは、シリーズのアタマ「帝国の娘」が店頭入手困難な為。
たまたま立寄った店で見つけて、読みはじめたのが、先週の月曜。
おもしろい!
続きを読みたいけれど、数軒の書店をまわっても見当たらず。
あせる。
その後、図書館2館と、梅田の大手書店を3店まわって、とりあえずシリーズそろえる。
上記14冊読了。
あと、出版されていて読んでないのは、番外編2冊と外伝3冊、および最終章「喪の女王」(1)。

さて、内容を説明するとネタバレになるので、やめておく。
どちらかと言うと、キャラより、ストーリー中心の作品。
「帝国の娘」はルトヴィア編。
「砂の覇王」はエティカヤ篇。
「暗き神の鎖」はザカール篇。
場所がどんどん移動していく。
立場とコスチュームも変化していく。
ストーリー展開のベクトルが強烈。
もし注文をつけるなら、ヒロインに、もうひとひねり魅力が欲しい。
(無い物ねだり)
参考/著者須賀しのぶさんURL;http://no99.edisc.jp/index.html


2005年8月13日(土曜日)

「のだめカンタービレCDBook」
あの時、あの場面の曲がCDになった。
予約を入れて、即購入。
解説も丁寧。
♪CD収録曲
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番《悲愴》第2楽章
 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 第1楽章(前半部分)
 ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー(ハイライト)
 リスト:メフィスト・ワルツ 第1番《村の居酒屋での踊り》(ハイライト)
 モーツァルト:オーボエ協奏曲 第1楽章
 ドビュッシー:喜びの島
 ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
 R・シュトラウス:交響詩《ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら》(ハイライト)自作自演版
 ベートーヴェン:交響曲 第7番 第1楽章
 海老原大作:ロンド・トッカータ



「ひみつのアッコちゃん」赤塚不二夫(小学館文庫)
入手不可能と思っていたのが、文庫本にて復刻。
即購入。
解説は初代アシスタントで、元・妻の江守さん。
アッコちゃんとは江守さんの実姉のニックネーム、とのこと。
またこの解説、明るく書いているけど、最後に・・・くるものがある。
書店で見かけたら、読んでみて下さい。
PS
エピソードを思い出した。(出典は忘れたけど)
赤塚氏が、この作品を創作する前に、担当の編集者に相談したそうだ。
すると、「この科学の時代に、『魔法』なんかをテーマにして、うけるのか?」、って。
担当者が作者の才能を引き出す場合もあるが、つぶす時もある。
頑迷で保守的なのは、読者より編集者か?


2005年8月6日(土曜日)晴れ一時雷雨

「おたんこナース」(1)〜(6)佐々木倫子(小学館)
以前リアルタイムで(少し)読んだこともあるけど、今回いっきに読みなおした。
やはり、おもしろい。
よく出来ている。
その中でも、気に入ったのは以下のとおり。
3巻・14話「美人患者にご用心!」
3巻・15話「患者さんのご家族」
4巻・24話「お正月気分」
4巻・25話「仮面様顔貌」
5巻・28話「適材適所」
6巻・33話「症例検討会」
6巻・34話「恨みながら死んだ人」

さらに、好みは24話の「お正月気分」。
臨終間際の患者さんの枕元で、愛人に逃げられ、家族に愛想をつかされたオヤジが口上を述べながら、
パフィーの「これが私の生きる道」を歌うシーン・・・傑作。
悲劇と喜劇は紙一重、ってところを、ミクロン単位で寸止め!

基本的に私は、「人間」の深さを描いた作品が好きなのだ。
一筋縄じゃ行かない、ってとこを。(だから、山岸作品が好き)
15話「患者さんのご家族」なんて、人間関係の距離が近い「家族」を取りあげながら、
お互いのすれ違いを、笑いに昇華している。(見事!)

PS
どうして、このような傑作が正当に評価されないのか?
世間では、「ブラックジャックによろしく」のような、わかりやすい作品が評価されるようだ。
「ブラック・・・」がつまらない、って言ってるんじゃない、モチーフが異なるのだ・・・。
(医療現場の問題点提示と啓蒙・・・つまり、私の「趣味」じゃない)
私事になるが、10年以上病院に勤めていたので、「業界」の話にはうるさい、のだ。


2005年8月3日(水曜日)晴れ

徳間書店のHPの中の、「子どもの本だより」に、荻原規子さんのインタビューが掲載されている。  

また、福音館HPの中で、林明子さんのコーナーができた。

以前、8月7日22:00〜0:15NHK教育で、
特集「大ブレイク!マンガで描くクラシック音楽の世界」
が、あると書いたが、
本日、HDに予約をいれた。
日曜になって、あわてないように。

2005年7月31日(土曜日)晴れ

「退屈姫海を渡る」米村圭伍(新潮文庫)
昨日読んだ「退屈姫君伝」の続編。
今回は、殿の失踪、お家乗っ取りの危機。
さっそくいつものメンバーで、船で一路四国へ向かう。
めだか姫の活躍やいかに?
たいへんな騒動なのに、なぜかのんびりした雰囲気。
そこが、この作品の魅力でもある。
前回ほどの、緻密さ、インパクトはないけれど、楽しい仕上がり。
最後のページを読むと、まだまだシリーズ続きそう。
楽しみが増えた。


2005年7月30日(土曜日)晴れ

以下の3冊を読んだ。
「イヴの眠り」(4)吉田秋生(小学館)
「タイムスリップ」山岸凉子(文春文庫)
「退屈姫君伝」米村圭伍(新潮文庫)




「イヴの眠り」(4)吉田秋生(小学館)
シリーズ4冊目。
(3)が発売されてから7ヶ月。
このタイプの話は、最終巻まで一気に読みたいところ。
でも、連載中だし、しかたない。
最終巻まで待てないし。
ジレンマである。
ところで、作者のコメディタッチの作品も読みたい。
最近ご無沙汰じゃない?

「タイムスリップ」山岸凉子(文春文庫)
私の読んでいない作品も含まれているので、購入した。
たいてい、読んでるつもりだけど。
「天鳥船」「八百比丘尼」「蜃気楼」「タイムスリップ」
初単行本化、と思われる。
それとも、私が見のがしていた?

「退屈姫君伝」米村圭伍(新潮文庫)

これは、面白かった。
よかったよ!
こんなポップな時代小説があったのか?
時代劇のイメージは、山本周五郎、平岩弓枝、池波正太郎、柴田練三郎、っていったところ。
どちらかと言うと、保守的で、暗いイメージ。(偏見か?)
幕府隠密、くの一、長屋の町人を巻き込んでの大騒動。
めだか姫、田沼意次の陰謀を阻止できるか?
最後は、諸大名や将軍まで登場しての、感動の大団円。
それぞれのキャラが魅力的、特にめだか姫。
作品全体に遊び心が満載。
さし絵もいい感じ。
オススメ。
ちなみに、この作品は以前からチェックしていたが、読むのは躊躇していた。
「もしかして、あまり面白くないかも?」、って思って。
読むきっかけになったのは、大矢博子さんの『なまもの!』
たいへん誉めておられたので、読むきっかけになった。
読んでよかった!


2005年7月29日(土曜日)晴れ

「ぎぶそん」伊藤たかみ(ポプラ社)
簡単に言えば、バンドを結成して、文化祭に向けて練習する中で、友情あり、恋あり・・・ってな話。(ミもフタもない?)
先日、芥川賞候補になった伊藤たかみさんの作品。(話題性あり)
全編、関西弁・・・他の地域の人に微妙なニュアンスが理解できるのだろうか?(少し心配)
「八犬伝」のような物語を期待してはいけない。(すごいバンドメンバーが集まってくる、とか)
バンドを扱った「BECK」「NANA」のような作品でもない。
作品は、一人称。
中心となる14歳の少年・ガクと、少女・リリイが交互に語る形式。
でも、これって名作「黄色い目の魚」(佐藤多佳子)と同じ形式じゃないの?!
人間関係の書き方も、少しもの足りない。(リリイの同性の友人関係が描かれていないのが不満)
結末へ向けてのベクトルがちょっと小さい。
ゆえに、私にはもの足りなかった。
(期待していただけに残念)

PS
表紙の絵は好感度が高い。93点!


2005年7月27日(水曜日)晴れ

「イギリス人はかなしい」高尾慶子(文春文庫)
「戦後事件史データファイル」新人物往来社


「イギリス人はかなしい」高尾慶子(文春文庫)は、6月27日に書いた、
「イギリス人はおかしい」、「わたしのイギリス、あなたのニッポン」の姉妹編。

最初に読んだときのインパクトはなくなったが、テンションは同じ。
今回のテーマで興味深かったのが、「ロンドン住宅事情」と、「ダイアナの死」。
おもしろい話をひとつ。
相手を挑発、愚弄するボディランゲージは、中指を1本たてる・・・これは有名。
イギリスでは中指と人差し指の2本をたてる・・・これは意外と知られていない。
日本人がレストランで「2人です」、って2本指をたてたりするので、陰で笑われているらしい。
気をつけたい。
ボディランゲージついでに、もうひとつ。
手のひらを下にして、指先を振ると、日本では、「こっち来て」の印。
アメリカでは逆、「あっち行け」の意味。(ちなみに、呼ぶときは、手のひらを上にして指を振る)
間違って、射殺される可能性もある。
軽く考えてはいけない。(こちらの逸話は載っていない・・・別な本で読んだ)
まぁ、(気がむいたら)実際読んでみて下さい。
ところで、作者が許せない女性が2人いる。
サッチャー元首相と、オノ・ヨーコである。
テーマが変わっても、繰り返し登場させられ、ボロカスに書かれている。


「戦後事件史データファイル」新人物往来社

別冊歴史読本。
この内容は、説明不要。
文字通りである。
過去の事件が、いつおこったのか、どんな内容だったのか・・・はっきり覚えていない。
ふと、調べてみたいときに便利。



2005年7月26日(火曜日)かるい雨(台風それる)

「ハチクロ」#13を(録画して)、1日遅れで観た。(関西は月曜深夜なのだ)
オープニングが変わっているではないか!(驚いた)
今回のほうが良い。(以前のは違和感があった)
そんな目で観るせいか、本編の描画もビミョーに違うような。
よりマンガチックになったような。
ギャグ度数上昇したような。
線が細くなったような。
(サザエさん風?)
気のせいか?

PS
前半、竹本君の語り、一人称。
後半、山田さんの語り、一人称。
途中で視点が変わるのって・・・(悪くはないけど)どう?


2005年7月24日(日曜日)晴れ

【2005年上半期・(超個人的)おもしろかった作品ランキング表】を作ってみた。
今年読んで、おもしろく感じた本を、カテゴリー別にランクしてみた。
もろ、「趣味」の世界でしょう。


2005年7月23日(土曜日)晴れ

以下の2冊を読んだ。
「忍者人別帖」白土三平(小学館文庫)
「ピアノの森」(10)一色まこと(講談社)


「忍者人別帖」白土三平(小学館文庫)
これは、白土三平氏、初期の作品。
それでも十分面白い。

途中で「語り」が入るのも現在と同じ。
ところで、「カムイ伝」第3部の発表が待ち遠しい。
かなり高齢なはずだけど、健康、体力の方は大丈夫なんでしょうか?
とても、気になる。
なんとか、3部作を完成させて欲しい。

「ピアノの森」(10)一色まこと(講談社)

98年から、雑誌連載を中断していた作品・・・とうとう再開!
9巻までの累計約102万部。
ファンからの要望が強かったようだ。
朝日新聞7月17日によると、
「ファンの要望で4月、約900日ぶり再開」、とある。
なお、朝日新聞『話題の本棚』7/17のテーマは『琴線振わす
音を求めて』で、
下記の本を取りあげて紹介している。
「のだめカンタービレ」(二ノ宮知子)講談社
「ピアノの森」(一色まこと)講談社
「BECK」(ハロルド作石)講談社
「神童」(さそうあきら)双葉社
・・・等を取りあげている。
(以上、ほとんど講談社・・・なぜ?)

ところで、10巻発売記念で、カバー(変更バージョン)(1)〜(9)を全員プレゼント、とある。(7/30締切)
(1)300円分の郵便定額小為替を用意し下記の宛先へ。
(2)〒115−8691
  東京赤羽郵便局私書箱37号
  講談社「ピアノの森」全員プレゼント係り
(3)本人のメモと郵便定額小為替を同封
   メモには、郵便番号、住所、氏名、電話番号を書く


*    *    *

話は変わって、情報を2つ。
☆先の朝日新聞にも取りあげられた、「のダメカンタービレ」のCDブックが発売。
7月22日より受け付け開始で、8月11日発売、1,600円。
私はさっそく予約した。
詳細は、下記のURLへ。
http://www.din.or.jp/~nino/easy_talk/et.html
また同ページで、8月7日22:00〜0:15NHK教育で、
特集「大ブレイク!マンガで描くクラシック音楽の世界」にのだめも登場!、とある。
要チェック。


☆「ハチミツとクローバー」のDVDがいよいよ発売。
VOL.1は8月26日で、2,940円(初回限定版)。
ちなみにVOL.2は9月23日で、
4,935円。


2005年7月17日(日曜日)晴れ

以下の2冊を読んだ。
両方とも良かった、当たり!(読む前から予想はついていたけど)
「SPEED」金城一紀(角川書店)
「サウスバウンド」奥田英朗(角川書店)
サウス・バウンド
SPEED










では、順番に紹介。

「SPEED」金城一紀(角川書店)
まさか、第三弾が出版されるとは思わなかった。
だから、うれしい驚き。
「ゾンビーシリーズ」第三作目である。(平井和正氏の「ゾンビーハンター」と間違えないように)
平凡な女子高生が家庭教師の自殺に不審を持ったことから話は始まる。
路上で、謎のグループに襲われそうになったところを、例のゾンビーズの面々に救われる。
そこからは、第二作「フライ、ダディ、フライ」と同じ展開。(現在ロードショウ公開中)
それでも楽しめる。
(途中、伏線からエンディングを予想して、早くも涙腺が反応する)
たとえ水戸黄門ワンパターンになろうとも、このシリーズ続いてほしい。
でも、ムズカシイか?

「サウスバウンド」奥田英朗(角川書店)
オビの文句は以下のとおり。
☆表表紙:
お待たせしました。
2年ぶり、奥田英朗の長編新作です。
おもしろい小説、ここにあります!

☆裏表紙:
型破りな父に翻弄される家族を、
少年の視点から描いた、長編大傑作。
21世紀を代表する新たなる
ビルドゥングスロマン、誕生!


以上、どうでしょうか?
ちょっと大袈裟だけど、面白さは正味。
小学校6年の次郎君の視点から、家族、友人、学校、社会、世間を描いている。
ちょっと、醒めたところがあり、適度の距離感。
父親の熱血と帳消しで、ちょうどいい感じ。
「世間は歴史も作らないし、人も救わない。正義でもないし、基準でもない」、って言う母・さくらもいい。
また、タイミングよく「メエエ」、と鳴くヤギの十兵衛も好感度が高い。
著者によると、映画「モスキート・コースト」が、着想のきっかけになったそう。
でも、私は(同じくリバー・フェニックス出演の)「旅立ちの時」を思い出した。
いずれにせよ、今年度ベスト3に入る傑作。

PS
私のこだわりとして気になったのが、P426で「七恵はジュニア小説のファン」とある点。
「ジュニア小説」・・・死語じゃなかった?
(氷室冴子さんが「雑居時代」を連載していたのが「小説ジュニア」の最後あたりじゃなかった?)
今はYA(ヤングアダルト)か、ライトノヴェルだけど・・・。

【参考】
私自身のこの【覚書】(2002/9/23)に映画「旅立ちの時」のコメントをしているので、下記にコピーする。
(以下コピー)
リバー・フェニックスのアイドル映画だが、レベルが高い。
シドニー・ルメット監督、1988年の作品。
あらすじは、反戦運動家として指名手配を受けた両親と
逃亡生活を送る少年リバー・フェニックス。町から町へ、学校も転校ばかり。
今回も引っ越してきて新しい学校に入学するが、そこで、音楽教師に才能を認められ、
ジュリアードへの進学を薦められる。
また、その教師の娘とも恋に落ちる・・・、と言った話。
現実には『親離れ』や『子離れ』が難しいから、
このストーリーに感激するのかもしれない。
父親のセリフ「ロックならいいけど、クラシックはだめだ」のポリシーがいい。
リバー・フェニックスの相手役の娘は美人でもなく可愛くもない。
マーサ・プリンプトンである。(キャラダイン一族の娘らしい)
けっこう存在感がある・・・ナマイキソーで。
ところで、「ダーティダンシング」もDVDになったら購入したい。
「旅立ちの時」と「ダーティダンシング」が私のオススメ『青春映画』である。


2005年7月16日(土曜日)晴れ

「いける本・いけない本」(2005.02)ムダの会(非売品)
この本を、児童文学研究者・鈴木宏枝さんのHPの日記で知った。
発行は「ムダの会」だが、発送を行っている「トランスビュー」に、返信用封筒を同封して取り寄せた。
(なじみの書店を通して、在庫を確認してもらってから)
さて、ムダの会とは何か?
業界団体である・・・つまり出版関係者の集まりだ。
内容は(タイトルどおり)「いける本」と「いけない本」へのコメントが中心。
それ以外に面白かったのは、『翻訳書に新しい流れが見えてきた』、っていうコラム。
以下、引用。

『エンタテインメントが読みやすくなったというけど、近年最大のベストセラーである「ハリーポッター」シリーズの
訳文はかなりひどいです。煩瑣なルビをはじめ、訳文を云々する前に、まず訳者がファンタジーや物語というもの
を理解していないと思う。原作者のローリングは、読者の成長を考えて、巻を重ねるごとに文体を変えている
のだけど、訳文には、それに対する配慮も全くありません。(以下略)』
(引用終了)

・・・以上、どうですか?
以前から噂はあった・・・「ハリーポッター」ひどくない?、って。
ストレートな批判・・・おみごと!

ところで、この小冊子「いける本・いけない本」を知るきっかけになった、鈴木宏枝さんのHPはオススメ。
「HIROE'S Home Sweet Homepage」である。
丁寧で、行き届いている。
内容も幅広く、精力的にいろいろ読んだり、書いたり、行動されたりしている。
【参考】
私の読んだ鈴木宏枝さんの著書は以下の3冊(いずれも共著)、オススメ:
「ほんとうはこんな本が読みたかった!」(原書房)
「だから読まずにいられない」(原書房)
「暗くなるまで夢中で読んで」(原書房)


ネット関連で、もうひとつ紹介。
書評系ライター・大矢博子さんのHP「なまもの!」が面白い。
特に《抜粋なまもの日記》
声をだして笑ってしまった。
特にJ子ネタ!
(文章で人を笑わせるのって、ムズかしいのに)
やっぱり、プロの方の文章は違う。

PS
この日記で初めて知ったことがある。
TV「笑点」は「氷点」(三浦綾子)をもじってつけた番組名、とのこと。
知らなかった!


2005年7月15日(金曜日)晴れ

第133回芥川賞は中村文則氏「土の中の子供」、
直木賞は朱川湊人氏「花まんま」に決定。

下記を参考に。

ブックレビューガイド


2005年7月13日(水曜日)曇り

「すももの夏」ルーマー・ゴッデン(徳間書店)
1924年、第一次大戦が終わって間もない頃。
イギリスからやって来た子ども達。
フランス、シャンパーニュ地方のホテルを舞台に、子供から大人への成長が描かれる。
ルーマー・ゴッデンさん初期の作品。
一見、「一夏の体験」風。(間違いじゃないけど)
人物描写、心理描写ともに巧みで、面白くて格調も高い。
この話、実話を元に書かれた、とのこと。
子供の時に、こんな体験をするとは・・・人生の波乱を予想させますね。
(念のために書いておくけど、Hな内容ではない・・・ルーマー・ゴッデン氏なんだから!)

PS
ところで、エンディングが唐突じゃない?
「スタンドバイミー」みたいに、後日譚みたいなのを書いてほしかった。



2005年7月11日(月曜日)雨

平成17年度、上半期の芥川賞・直木賞候補を、下記のサイトにて確認できます。
私の(個人的趣味として)、応援するのは、
芥川賞は伊藤たかみさん、
直木賞は森絵都さんです。
ところで、芥川賞と直木賞の境界線が、ぼやけてきてない?
(単に発表誌の違い、って話も・・・?)

 

2005年7月9日(土曜日)雨
「鵺−新今昔物語−」花輪和一(双葉社)
やはり、タダモノではなかった。
今昔物語に題材して、意表をつく展開と結末。
日本漫画界には才能あふれる方々が大勢いらっしゃるが、誰もマネができない。
それだけ特異な存在でしょう。
まいりました・・・。
(でも、どーして絶版になってしまうのか?)
一般受け、しないのでしょうね。
ところで、この本、うおさんよりいただいた。
入手困難なので、ありがたい。
感謝!

「マンガ聖書物語」樋口雅一(講談社+α文庫)
新約聖書のマンガ版。
イエス・キリストの生涯は「マタイ」「マルコ」「ルカ」「ヨハネ」の福音書に書かれている。
イエスの死後は「使徒行伝」で伝道ぶりを知ることができる。
この作品は話が前後しないように、巧く作られている。
地図も付いていて、ヨルダン川が死海とガリラヤ湖を結んでいるのを知った。(恥ずかしい)
平和になったら、ぜひ訪問してみたい場所である。


2005年7月6日(水曜日)曇り
「薔薇のミルフィーユ」今野緒雪(集英社)
出ました、シリーズ最新刊!
以下、ネタバレもあるので、未読の方は読まないように。

作品は3部構成になっている。
(1)部は由乃さんが主人公。噂の奈々ちゃんも登場。
  このペアなかなかいい感じ。
  将来のスール間違いなし!でしょう。
(2)部は志摩子さんが主人公。
  なんと、志摩子さんの兄が登場。
  久しぶりに、聖さまも出てきて乃梨子さんとからむし。
  今後の波乱を予想させる伏線的内容。
(3)部は真打ち登場の祐巳ちゃんが主人公。
  祥子様と遊園地に行くことになるが・・・さて、どうなるか?

やはり、ストーリーの組立、展開と心理表現がうまい。
三部、しりとりで終わるのも秀逸。
ところで、読んでいてしみじみと感じる・・・「幸福」を。
なぜなら、この作品、ユートピア(=リリアン)を描いているから、である。
本を読んでいる間だけ、自分もユートピアの住人になっている気分。
これが、幸せを感じる理由でしょう。

【後日談】
翌日(7/7)、前作にあたる「スールオーディション」を読んで、さらに「薔薇のミルフィーユ」の(1)部を再読した。
伏線を確認したかったのと、ストーリーの流れを感じたかったから。
・・・再読すると、やはり見えてくるものがある。
「運命」、である。
由乃さんは江利子さんに振り回され、その相似形である奈々ちゃんにも振り回される。
また、支倉令さんは由乃さんに振り回されるし・・・運命でしょう。
さらに、これを設定している作者・・・エライ!


話は変わって、「ハチミツとクローバー・official fan book」(集英社)を読んだ。
アニメ放映中なので、それに併せて企画されたのだろう。(みんな観てる?)
あらためて感じたが、すべてのキャラクターが濃い。
だからこそ、これだけ支持されるのだろう。
インタビューで、丁寧な取材について言及されているが、なるほどの納得である。
旅に行くときはら300〜600枚の写真を撮る、って言うからすごい!
感心した。レベルが高い。
男性からも、女性からも支持されるはず、である。


2005年7月5日(火曜日)曇りのち雨
「Heaven?」(1)〜(6)佐々木倫子(小学館)
佐々木作品の特徴。
(1)一見普通に見える奇人変人が多数登場。
(2)それぞれバスター・キートン風、無表情なのが、面白さを倍増。
(3)ストーリーも淡々と進行しドラマチックではない。
(4)女性作品につきものの「恋愛騒動」がない・・・、って言うか、排除している。
(5)描画は独特で、好ましい。作品にも合っている。

ストーリーは、お墓の横にあるフランス・レストランの人間模様。
ロバート・アルトマン風群像劇。
登場人物すべて、強烈なキャラクター。
特にオーナー!
例の「菱沼さん」キャラを受け継いでいる。
面白くない訳がないか?

PS
二ノ宮知子さんも変人を描くのが得意だが、「恋愛模様」も描くし、「キャラの表情」も豊か。


2005年7月3日(日曜日)
「りっぱな犬になる方法」きたやまようこ(新潮文庫)
「続・凍りついた瞳」ささやななえ(集英社)

「りっぱな犬になる方法」
内容はタイトルどおりでわかりやすい。
どうしたらりっぱな犬になるか、テキストである。
「犬は家族を選べない。選ばれたら誇りに思って、家族を愛そう」等・・・為になる話がいっぱい。
絵入りで平易に書かれている。
犬になりたい人、必読。

「続凍りついた瞳」
そんなに厚い本ではないが、内容が重くて、一気に読めない。
暗く、重苦しい気分になりたい方に最適。
自分の子供を虐待するなんて最低。
その家庭に乗り込んでいって暴れたい気分。
生意気でイヤなガキもいるけど、理不尽不条理な暴力に曝されている子もいる。
子供にとって親は神も同然。
(親を選べないし)
もっとも愛情を与えるべき人が、憎しみを与えたらどうなるのか?
憎しみの連鎖、暴力の連鎖が待っている。


005年6月27日(月曜日)

「イギリス人はおかしい」高尾慶子(文春文庫)
「わたしのイギリス、あなたのニッポン」高尾慶子(文春文庫)


今まで、イギリスについて書かれた本は多い。
有名なのが木村治美さんの「黄昏のロンドンから」。
(あと、マークス寿子さん、林望さん、大野敬子さん、井形慶子さんとか・・・)
木村治美さんは東京大学を出て、さらに同大学院を修了、現在大学教授、である。
一方、高尾慶子さんは高卒で、調理師学校に進んでおられる。
(祇園でホステスもしている!)
イギリスでは、リドリー・スコット監督の家でハウスキーパーとして働いた。
この辺の「違い」が随所に見られる。
どちらかと言うと、高尾さんの文章は「関西のおばちゃん」のノリである。
イギリスについてボロカスに書いてある。
でも、著者のキャラクターのせいか憎めない。
あっさり、すっきり、きっぱり、である。
例えば、こんなシーン。
以下転載。

私と姪が歩いていたら、数名の白人が私たちをはやしたてた。
「ジャップ!」、「ジャップ!」
私はわめいてやった。
「ジャップの作ったウォークマンを使うな!ジャップのカメラも使うな。ジャップの車にも乗るな。
バイクもモーバイルフォンも、ファミコンも、ビデオカメラも、テレビも、CDも、全部、使うなーあ!」
大声でわめいたら、みんなびっくりして、ハッと気づいて、大急ぎで逃げていった。
姪はその後で、
「おばちゃんが今言った品物取り上げたら、この国にね、もう生きる楽しみ、何にもないやないの」

以上転載終了。
・・・どうでしょうか?
キャラ最高でしょう!

また、戦争責任問題、捕虜の取り扱い問題でも、鋭い批判をされている。
聖書を引用し、マグダラのマリアの姦淫問題を例にとり、以下のように書いておられる。
「(マグダラのマリアに)石殺しの刑を与えてもよろしいか?」
と尋ねる。キリストはこう答えられる。
「あなた方のなかで罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい」
私が新聞記者なら、英蘭の人々に向かって、
「日本は捕虜に酷い扱いをしました。あなた方の国で、植民地の人々に酷い扱いをしなかったと
自信を持っていえる人は日本を責めなさい。インドの人々を、アフリカの人々を、インドネシアの人々を、
英国人やオランダ人と同等に扱ったか、考えてから、日本に石を投げて下さい」


また、歴史認識も鋭い。
オランダ現地の説教者の話が紹介されている。
かつて天草四郎の乱で天草のたくさんのキリシタンが惨殺された。
どうして、ほんの数日で幕府に打ち破られたのか?
オランダが幕府軍に武器弾薬、大砲を提供したからだ、と。
これは、天皇・皇后両陛下が訪蘭されたとき、オランダ人の元日本軍捕虜がはげしく抗議した時、
オランダ人説教者の謝罪の言葉と共に紹介されている。

「戦争問題」から「パンツを盗まれた話」まで盛りだくさん!
一読の価値有り。



005年6月25(土曜日)晴れ
DVD4枚を観て、古本屋巡りをした。

DVD「スチームボーイ」「チャームド」「一撃」「ステップフォードワイフ」・・・以上イマイチ。
ところで、「ステップフォード」の二コール・キッドマンが髪をブルネット&ショートにした時・・・美人ですね。

古本巡りで本を21冊購入。
すでに読む本が大量にあるのに、どうして買ってしまうのか?
ビョーキか?
女性が、着る服が沢山あるのに、買ってしまうのと同じ心理か?
「ピアノの森」一色まこと(1)〜(9)
「Heaven?」(1)〜(3)佐々木倫子
「てっぺん」(1)〜(3)万里村奈加
「続凍り付いた瞳」ささやななえ
「陰陽師」岡野玲子
「永遠と一日」藁科れい
「4時のオヤツ」杉浦日向子
「トラブルクッキング」群ようこ
「夢の積立しませんか」矢口高雄
以上、とりあえず購入しただけ。
いつ読むか未定。(はるか先?)

「ピアノの森」一色まこと(1)〜(9)
これは早速読んだ。
よかった、おもしろかった!
予想どおり。
第10巻目が7月に発売予定、とのこと。
楽しみ。


005年6月22(水曜日)晴れ
「日経エンタティメント」100号記念特大号を購入した。
面白そうなところを抜粋する。
(1)「MONSTER」がハリウッドで映画化(実写)されるらしい。
(2)「AKIRA」「ルパン三世」「エヴァンゲリオン」「ドラゴンボール」も同様に、
   ハリウッドが実写映画化の権利を購入した、とのこと。
(3)英語版少女漫画雑誌「SYOJOBEAT」6月米国で創刊。「NANA」(矢沢あい)も収録されている。
  部数は8万部を予定。
  「少年ジャンプ」の英語版は3年前から創刊済みで、30万部と好調に推移。
  (読者は10〜30代の女性が4割を占めることから、少女雑誌の創刊に踏みきったらしい)
  なお、2004年度、米国マンガ市場の4割を日本の作品が占めたらしい!
(4)コミック「鋼の錬金術師」が米国bPとなった。5月1週から3週連続でbPとのこと。
(5)全世界のアニメ市場の65%が日本製。
   米国では「ドラゴンボール」「遊☆戯☆王」秋には「NARUTO」放送予定
   スペインでは「クレヨンしんちゃん」が大人気(最優秀エンターテイメントキャラクター賞受賞)
   アジアでは「ドラえもん」「ちびまる子ちゃん」が人気
(6)大山のぶ代さんのインタビュー記事も掲載
   大山さんは1936年生まれ、68歳、26年間ドラえもんを演じた。
   今年3月いっぱいで声を交代したが、のび太、しずかちゃん等レギュラー平均年齢は70歳を超えていた!
   (放送開始は79年)
   皆さん大変。スネ夫がポリープになったり、しずかちゃんもぎっくり腰になったり。
   ところで、大山さんがDVDを2枚推薦されている。
   「おばあちゃんの思い出」「帰ってきたドラえもん」

以上、いかがでしょうか?
ざっと気になる点を列挙した。
最後に声を大にして言いたい。
「日本のマンガは偉大だ!日本のアニメは永遠に不滅だ!」


005年6月19(日曜日)晴れ
「ルームメイツ」(1)〜(3)近藤ようこ(小学館文庫)
数店舗の書店を巡ったが見つからなかったので、取りよせて購入。
予想どおり、すばらしい内容。
還暦を迎えた女性3人が、同窓会で会ったをきっかけに同居する。
新しい老後、新しい家族の形を描く。
第1話から、涙腺ゆるみっぱなし。
「家族」をこれだけ深く掘り下げ、分かりやすく表現した作品はない。
ところで、解説は藤本由香里さん。
「新しい家族のイメージ」を提示した作品をリストアップされているので参考までに。

「明るい家庭の作り方」くぼた尚子
「papa told me」榛野なな恵
「子供はなんでも知っている」岩館真理子
「エイリアン通り」成田美名子
「前略・ミルクハウス」川原由美子
「麒麟館グラフィティ」吉野明美
「赤ちゃんと僕」羅川真里茂
「こどものおもちゃ」小花美穂


005年6月18(土曜日)晴れ
「もっと、わたしを」平安寿子(幻冬社)
以前からチェックしていた作家。
でも、読むのは躊躇していた。
微妙に私の趣味と異なるように思えたから。
・・・で、感想は「(半分)やっぱり」、って言うところだけど・・・後半で印象が変化してきた。
読んでソンはない。
完成度はかなり高い。
もっと評価されて、多くのファンを獲得してもおかしくない。
(もう獲得してるかな?)
連作長編の形をとっていて、5編の短編が収録されている。
短編ごとに主人公は変わる。
すべて1人称による語り。
登場人物は身近にいそうな欠点のあるキャラばかり。
最初は、シニカルな視点でイジワルな感じだったのが、後半で温かい雰囲気になってくる。
(だから「(半分)やっぱり」なのだ)
特に「涙を飾って」のヒロインなんて、ヤなタイプなのに好感をもって書かれている。
作者の心の広さを感じる。
(私の好みは4話「愛はちょっとだけ」)


005年6月13(月曜日)晴れ
「ぼくらのサイテーの夏」笹生陽子(講談社文庫)
「いつかパラソルの下で」森絵都(角川書店)

2冊まとめて紹介。
いつかパラソルの下で










「ぼくらのサイテーの夏」笹生陽子
笹生作品を購入して裏切られることはない。
品質保証。
これがデビュー作である。
後の作品と比べると、キャラ設定が(少し)薄味?
でも、十分楽しめる。
エンディングもさわやか。

「いつかパラソルの下で」森絵都
オビの文句はこうである・・・
(1)「裏切られた気がした。でも本当は、私が先に父を裏切ったのだ」
(2)「『永遠の出口』以来2年ぶりの新刊にして、『カラフル』『DIVE!!』に次ぐ書き下ろし長編小説!!
   大人のためのハートウォーミング・ストーリー。」
(3)「病的なまでに潔癖で、傍迷惑なほど厳格だった父。
   四十九日の法要が近づいたころ、私は父の生前の秘密を知ってしまう。」
・・・どうでしょうか?
特に(2)番目の謳い文句がすばらしい。
「もう読まずにいられない」、って感じ。
タイミングよく、角田光代さんが朝日新聞に書評を掲載されたし。(6月5日付け)

さて、読んだ感想だけど、「永遠の出口」ほどのおもしろさはないが、楽しめる。
シリアスなストーリーなのに、なぜかユーモラス。
ヒロインが微妙に間が抜けていて、いい感じ。
このテーマにして、深刻にならず、湿っぽくならず、暗くならない。
間合いの取り方が絶妙。
次作も楽しみ。


005年6月11(土曜日)雨
DVDを2枚購入。
「ミーン・ガールズ」
「コニー&カーラ」


「ミーンガールズ」はハイスクールを舞台にしたコメディ。
リンジー・ローハン演じるケイティと学園の女王軍団とのバトル、イジワル合戦。
「コニー&カーラ」は殺人事件を目撃したことから、LAに逃亡する羽目に。
ふとしたことから、ドラッグクイーンを装いクラブでショーを演ずるが・・・。
***
日本では大ヒットしなかった。
新作なのに、DVDを見つけるのも一苦労。
特に、「コニー&カーラ」は(見つからなかったので)取りよせた。
その甲斐あって、楽しめた。
「大ヒット作品」、って最大公約数で作製されているから、たよりない部分も多い。
大人から子どもまで、老若男女を動員する映画、って「不自然」。
「コニー&カーラ」は古いミュージカルナンバーが数多く演出されていて楽しめる。
「ミーン・ガールズ」は、「花より男子」(神尾葉子)を思い出した。


005年6月7(火曜日)晴れ

またまた、まとめて書く。

「The MANZAI」あさのあつこ(ジャイブ)
「テレビアニメ魂」山崎敬之(講談社現代新書)
「サンネンイチゴ」笹生陽子(理論社)
「ぼくは悪党になりたい」笹生陽子(角川書店)
「楽園のつくりかた」笹生陽子(講談社)
「きのう、火星に行った。」笹生陽子(講談社文庫)


  *   *   *   *   *

では、順番に紹介。
「The MANZAI」あさのあつこ(ジャイブ)
先週読んだ「あさの作品」の会話が漫才風だと思っていたら、こちらはマジに漫才作品。
学校を舞台に「ロミオとジュリエット」を漫才にする取り組み。
「はたして学園祭で成功するのか?」、ってのがストーリーなんだけど、
キャラクターに陰影をもたせて、深みも出している。
「蘭&翠」のシリーズより好きかも。

「テレビアニメ魂」山崎敬之(講談社現代新書)
もろ、趣味の世界。
裏話が盛りだくさん。
「こんなの知ってた?」、って自慢できる。
でも、同好の方以外に話したって、「それがどーした」って言われるだけ。
まぁ、それが「趣味」、ってもんでしょう。

「サンネンイチゴ」笹生陽子(理論社)
「ぼくは悪党になりたい」笹生陽子(角川書店)
「楽園のつくりかた」笹生陽子(講談社)
「きのう、火星に行った。」笹生陽子(講談社文庫)
ぼくは悪党になりたい
きのう、火星に行った。









カンが働くときがある。
「おもしろいに違いない」、って。
今回は当たった!
笹生作品はおもしろいぞ!
文章もよみやすい。
導入もバッチリで入りやすい。
読後もさわやかで、気持ちいい。
ところで、それぞれの作品には共通点がある。
・・・ヘンなヤツ、変わったヤツが登場して、主人公の生活を掻き乱し、新しい世界に誘う。
その中で、主人公は変化と成長をとげる、ってのが共通おおまかなストーリー。
誰でも書けそうだけど、難しい。
キャラの親しみやすさ。
脇役の陰影とリアリティ。
ストーリーの展開のうまさ。
いきいきとした会話。
感情表現のうまさ。
読後感のよさ。
主人公はほとんど少年。(「サンネンイチゴ」は例外)
どの作品もレベルが高い。
でも、推薦するとしたら「ぼくは悪党になりたい」かな?
・・・一般受けしそうだし、導入も快調だし。
今はあまり(世間に)認知されていないけど、どの作品も(もっと)ヒットしてもおかしくないレベル。
笹生さんが(今後)有名になったら自慢しよう。
「私は初期の段階から読んでいたよ」、って。

PS
ここんとこ、精力的にがんばって量をこなしているが、
購入済みで未読の作品が全然減らない。
「どーして?」
「読むスピードよりも、購入する方が速いから」

・・・そして本は溜まっていくのであった。


005年5月31(火曜日)晴れ
読むのが忙しくて、更新するヒマがない。
以下、まとめて書く。

「バレエダンサー」(上)(下)ルーマ・ゴッデン(偕成社)
「BEST13 of ゴルゴ13」さいとうたかを(小学館)
「ねらわれた街」あさのあつこ(講談社)
「闇からのささやき」あさのあつこ(講談社)
「私の中に何かがいる」あさのあつこ(講談社)
「鵺の夜」毛利志生子(集英社)
「冥路の月」毛利志生子(集英社)
「視Sの塚」毛利志生子(集英社)
「髭切異聞」毛利志生子(集英社)


  *   *   *   *   *

では、順番に紹介。


「バレエダンサー」(上)(下)ルーマ・ゴッデン(偕成社)バレエダンサー〈上〉
バレエダンサー〈下〉








おもしろかった!
予想以上におもしろかった!
原題は「Thursday’s Children」
マザーグースからきている。

 月曜日の子どもは べっぴんさん
 火曜日の子どもは お上品
 水曜日の子どもは 悲しみつづき
 木曜日の子どもの道は遠く・・・・・・

バレエダンサーが、つらく厳しい道を歩まねばならない比喩である。
作者はバレエ学校を経営した経験があるせいか、練習やコンクールの描写がリアル。
登場人物も(子どもも大人も)キャラクター設定がしっかりしており、感情表現がみごと。
バレエをテーマにした作品ではトップクラスでしょう。
(山岸凉子さんの「テレプシコーラ」や「アラベスク」には負けますが)
小説としては(かなり)いい線をいっている。
すごいのは、著者70歳以上の時に、この作品を書いたらしい。
恐るべし、ルーマ・ゴッデン!
ちなみに、この作品を読むきっかけになったのは、「だから読まずにいられない」(原書房)と、
5月理論社ウエブ・エッセイ『もうひとつの空の飛び方』荻原規子である。


「BEST13 of ゴルゴ13」さいとうたかを(小学館)
電話帳のように太い書籍である。
(これが頭に落ちてきたら死ぬかも?!)
著者のさいとうたかを氏自身のベストチョイス13作。
ゴルゴファンだけでなく一般の人も読む値打ちがある。
作者の解説・分析も興味深い。
@追いかけっこ(ライバルもの)
A宝探し
B復讐もの
C水戸黄門もの
Dルーツもの
E不可能狙撃もの
F女もの
G迷路もの(脱出もの)
H自然もの
I先端技術もの
・・・・・・・・・
こんなにパターンがあったのね!
あの船戸与一氏も「ゴルゴ」の脚本を書いていたのも判明。
現在さいとうプロダクションは脚本外注システムを導入しているらしい。
社内の脚本班で作製すると偏るから・・・とのこと。


「ねらわれた街」あさのあつこ(講談社)
「闇からのささやき」あさのあつこ(講談社)
「私の中に何かがいる」あさのあつこ(講談社)

あさの作品をまとめて3冊読んだ。
ほんとは「バッテリー」から始めるべき?
(でも、まっ、いっか?)
上記三冊は、少し軽すぎ・・・内容も文章も。
でも、気に入ったシーンもある。
「闇からのささやき」の187ページヒロイン・蘭と美少女・翠のキスシーン。
う〜ん・・・笑えた!
2人の会話は、ほとんど漫才。
ストーリーの進行をじゃまするくらいにボケとつっこみを繰り返す。
そこがこの作品の魅力でしょう。


「鵺の夜」毛利志生子(集英社)
「冥路の月」毛利志生子(集英社)
「視Sの塚」毛利志生子(集英社)
「髭切異聞」毛利志生子(集英社)

平安朝を舞台にした「外法師シリーズ」である。
かなりの資料を用意されている。
生半可な知識ではない。
当時の人間関係もしっかり把握しておられる。
当時の風俗や宗教観もきちんと押さえておられる。
みごとである。
では、どうして大ヒットしないのか?
マニアックすぎるのか?
あまりに資料にこだわりすぎ?
ツボをわざとはずして、メジャー路線から逸らしているのか?
気になる作家なので、今後もチェックしたい。
PS
現在「外法師シリーズ」入手困難、となっている。
私は古本屋と図書館を併用し読むことができた。


005年5月23(月曜)
「風神秘抄」荻原規子(徳間書店)
風神秘抄










今月20に発売された最新刊。
(昨年の夏から楽しみにしていた)
21日(土曜日)仕事帰りに購入。
22日(日曜日)は予定・約束は入れずに万全の体制で臨み、1日かけて読了。
あぁ・・・幸せ!

今回は、「勾玉シリーズ」と同じく日本が舞台。
時代は「平治の乱」の頃。
「空色勾玉」の鳥彦の子孫が登場してくるのが嬉しい。
主人公は(荻原作品では)めずらしく少年。
主な登場人物。
草十郎・・・主人公、武芸に秀で、不思議な笛の能力を持っている。鳥と会話できる。
糸世・・・ヒロイン、天才舞踏家。
鳥彦王・・・鳥王家の血筋で、人間界に修行に来ている。草十郎と意気投合。
       このカラスがいなかったら物語が暗くなったでしょう。

物語のベクトルは2種類。
(1)草十郎と糸世の恋
(2)草十郎と鳥彦王の友情
これらが、平家〜源氏、貴族〜武士の時代の流れの中で描かれる。
時代に翻弄される・・・いったいどうなるのか?
後白河法皇も登場してびっくり!
熊野詣での様子も紹介され勉強にもなる。

さて、読む前から面白いのは分かっていた。
(荻原作品だから当然か?!)
「満足、満足」、って感じ。

でも、今回は(あえて)不満を書いてみよう。
(1)第三部は少しベクトルが減少した。
どうしてか?
草十郎と糸世がお互い好きであることを確認したことにより、物語が安定してしまった為か?
鳥彦王と草十郎の2人では物語が持たないのか?
糸世が消えて、舞台が淋しくなったのは事実。
鳥彦王・鳥の国訪問が少し不十分。
もっとページを割くべきか?

(2)少年が主人公な為か、心理描写が控え目であった。
糸世がメインなら、振幅の激しい性格からくる心理描写で退屈させない。
荻原作品はヒロインをメインにした方が生き生きするのか?
思春期の男って(ホントは)さわやかじゃないし。
体育会系にするとストーリーに陰影がでないし。
文化系にすると暗くなるし。
キャラの設定段階でムリがあったのか?
1人で笛を吹くのが好きなのは文化系だし。
武芸に秀でているのは体育会系だし。
著者の苦労が感じられる。
孤児故にいじめられて逆に強くなった、って設定。

(3)3部構成にムリがあったのか?
2部構成にして、いちおう完結させたらどうだろう?
とりあえず相思相愛2人のハッピーエンド、ってことで。
3部目は「続・風神秘抄」として改めて発売する。
1冊目は草十郎と糸世の恋がメイン。
2冊目は草十郎と鳥彦王の友情をメインにして鳥の王国と鳥彦王の妃候補を詳細に描く。
・・・でもヒロイン・糸世が登場しないから(やっぱり)淋しいか?

・・・とまぁ、完璧な作品に無茶な注文をつけてスミマセン、って感じです。
(ファンなのにクレームを付けてどーする!)
素人の戯言と読み流して下さい。
読んでない人には(ぜひ)オススメの1冊!
満足すること間違いなし!
(と、あわててフォロー)

PS
梅田の旭屋で購入したが、この厚い作品が大量に棚に陳列されていた。
表紙を表にして2冊分の巾で。
さらに別な場所に数冊が陳列。
徳間書店がいかに力を入れているかが分かる。
児童書でこの扱いは破格!
滅多にない快挙でしょう。
各書店にメーカー直々に通達したのか?
中央公論新社や理論社も見習うべし!


005年5月21(土曜)晴れ
クライミングと仕事関係であわただしい日々が続いた。
しばらく更新が途絶えたが、まとめて記載する。

「怪人二十面相」江戸川乱歩(ポプラ社)
「少年探偵団」江戸川乱歩(ポプラ社)
「妖怪博士」江戸川乱歩(ポプラ社)
「のだめカンタービレ」(#12)二ノ宮知子(講談社)
「キャットストリート」(1)(2)神尾葉子(集英社)
「夕凪の街桜の国」こうの史代(双葉社)

「プルートウ」(1)(2)浦沢直樹(小学館)

  *   *   *   *   *

では、順番に紹介しましょう。
「怪人二十面相」江戸川乱歩(ポプラ社)
「少年探偵団」江戸川乱歩(ポプラ社)
「妖怪博士」江戸川乱歩(ポプラ社)

シリーズまとめて復刻されたので3冊だけ読んでみた。
読みやすいし、面白い。
ここで(いきなり)クイズを出題する。
問い(1)少年探偵団長の小林少年のフルネームは?
問い(2)明智探偵の住所は?
問い(3)明智小五郎の奥さんの名前は?
・・・どうだろうか?
すべてに答えた方・・・あなたはマニアだ!
(ご一報下さい)
昭和初期が時代背景なので、戸山ヶ原が現在の東京都新宿区の地名で、
当時陸軍の射撃場があった淋しい場所・・・とかが興味深く作品以外のことでも楽しめる。
さて、上記の答えは以下のとおり。
(1)小林芳雄
(2)麻布竜土町の閑静なやしき町
(3)(若くて美しい)文代夫人、と表現されている。お手伝いさんも1人いる。

「のだめカンタービレ」(#12)二ノ宮知子(講談社)
12巻目が出版された。
大きな展開はないが、伏線がいくつか張られる。

「キャットストリート」(1)(2)神尾葉子(集英社)
1年半の休憩のあとに発表したのがこの作品。
前作が36冊も続いたから、今回も長期連載になるか?
それとも反動で10冊くらいに収まるか?
オープニングから読者をとらえる。
今後の展開が楽しみ。

「夕凪の街桜の国」こうの史代(双葉社)
あちこちで評論紹介されていたのでチェックをしていた。
読んでみて驚いた。
評判以上である。
これはすごい!
戦争と原爆をテーマにして、「普通に」物語は進行する。
登場人物がからみあい、読後静かな感動がある。
中身もテクニックも抜群である。
高度である。

「プルートウ」(1)(2)浦沢直樹(小学館)
浦沢氏の作品には2種類ある。
メジャー系とマイナー系。
でも、この作品はどちらも含有。
読む前から評判は高かったが、それも頷ける内容である。
マニアックにな作品・・・でも泣ける。


005年5月1(日曜)雨
「鬼の橋」伊藤遊(福音館書店)
以前から気になっていた。
伊藤遊さんである。
朝日新聞に毎月「ファンタジー作品」の紹介コラムを書いておられる。
どのコラムも質が高く、「読んでみたい」と思わせる内容である。
そんなわけで、その伊藤さん自身の作品も気になっていたのである。
やはり面白かった。
平安時代が舞台。(けっこうリアルに再現)
冥界とこの世を行ったり来たりしながら物語は進行する。
当然鬼も登場する。
けっこう怖い鬼も出てくるし、愛嬌のある鬼も登場する。
レベルは高い。
他の作品も要チェックか?


005年4月29(金曜)晴れ
「くにたち物語」(1)〜(12)おおの藻梨以
久しぶりに読みかえした。
面白い。
このような作品はなかなか無い。
主人公小学校3年から始まり、中学3年で(今のところ)終わっている。
つづきが気になってしかたがない。
しかし、作者の消息はわからず、中途半端なまま物語は切れている。
どなたかご存じないでしょうか?
作家活動はされているのでしょうか?
病気で療養中なのでしょうか?
こんなすばらしい作品が未完なのは悲しい。
そう思いませんか?


005年4月12(火曜)雨
「姉なる月」(上・下)スー・ハリソン(晶文社)
母なる大地、父なる空」(上・下)の続編。
「アリューシャン黙示録」の第二部である。
今回のヒロインは『黒曜石』から『誰』に切り替わる。
後半部分から、物語らしくなってきて、盛り上がってくる。
最終第三部はどうなるのか?
期待しましょう。


005年4月2(土曜)曇り
「マンモスハンター」の(上)(中)が出版されている。
(とりあえず購入)
(下)の発売は今月下旬予定。
少しずつ読むとストレスなので、一気の読むつもり。
評論社版(絶版)と比較して、さすが「完訳」だけあって、描写の「押さえ」なし。
評論社版も濃厚、って?
まぁ、児童書にしてはキツイかもね?


005年4月2(土曜)曇り
「スールオーディション」今野緒雪(集英社)
シリーズ後半メインディッシュに入った。
スール問題はどうなるのか?
祐巳さんの妹は(私の読みどおり)瞳子になる、と思われるが、
その課程で一波乱ありそう。
由乃さんの方は新キャラ登場で、今後の展開が楽しみ。
こちらも波乱が予想される。


005年3月31(金曜)晴れ
「ハチミツとクローバー」(7)羽海野チカ(集英社)
今月いよいよテレビ放映開始!
あのキャラ達が声を出して、動くのが楽しみ。
今回は竹本君の「自分探しの旅」がメイン。
一言で言うと・・・まぶしすぎる!
「そんな時代もあったのね」、って・・・。


005年3月27(日曜)晴れ
「母なる大地、父なる空」(上・下)スー・ハリソン(晶文社)
「アリューシャン黙示録」の第一部である。
この作品も「エイラ」シリーズ同様、先史時代が舞台。
アメリカでは、けっこう有名な作品らしい。
「エイラ」と比較してどうだろうか?
(1)、「エイラ」の方はエンタテイメント性が高い、「アリューシャン」は学術的要素が高い。
(2)、「エイラ」の方は積極的で行動派、「アリューシャン」は時代と因習に基づいている。
(3)、「エイラ」の方はハリウッドの影響を受けている、「アリューシャン」は作者独自の物語観に基づく。
(4)、「エイラ」の性描写は詳細、「アリューシャン」は簡素、あっさり。
・・・こんなとこかな。


005年3月24(木曜)曇りのち雨
「テレプシコーラ」(7)山岸凉子(メディアファクトリー)
別件で、注文していた本を取りに行き、レジで精算していたら、
本屋のオヤジが「テレプシコーラ」(7)巻を持ってレジにやってきた。
「7巻出てますよ」、と。
う〜ん、本屋のオヤジに趣味嗜好を把握されてしまった。
レジのねえちゃんも、財布を持ってレジに立っただけで、
注文していた本を探し出してくるし・・・タイトルも言ってないのに。
なぜじゃ?
(これではエロ本も買えないではないか)

前置きが長くなった。
六花が演出する作品が学校で発表され、
研究所での発表会作品の演出もまかされる。
今後の展開の伏線である。
姉の千花の大怪我からの回復はどうなるのか?
最後で、クララに抜擢されるシーンで終わっている。
雑誌では、年末の「くるみ」が迫っている。
気になる、気になる。


005年3月22(火曜)
「コドモのコドモ」さそうあきら(双葉社)
小学生が出産する、っていう話である。
文章にするとショッキングであるが、児童文学を読んでいる気分である。
さそうあきら氏の力量であろう。
家庭環境、学校での人間関係等が丁寧に描かれている。
以前に受賞した「神童」に匹敵する名作。
オススメ。


005年3月16(水曜)晴れ
「ここに幸あり」中野翠(毎日新聞社)
毎年恒例の時評コラム集。
2004年を総括、って感じ。
100%好きになれないけど、この方のカンは信頼している。
公正であろうとする態度も好感が持てる。
コラムニスト、評論家の中ではベスト3に入る・・・かな?
(1番は誰やねん?、って聞かれても困るけど)
以前に部屋の本棚からはみ出した約1,000冊の書物を処分したが、
「迷走熱」あたりから始る中野翠さんの作品群は処分できなかった。
惜しくなった。
「いつか読み返すだろう」、と思ったし。
う〜ん・・・影響大、かな?


005年3月13(日曜)曇り時々雪
「半身」サラ・ウォーターズ(創元推理文庫)
半身









「荊の城」がよかったので、「半身」を読んだ。
やはり、レベルが高い。
舞台が英国ヴィクトリア朝のロンドンであるのは同じ。
しかし、雰囲気がまったく異なる。
キャラクターが異なるせいである。
性格暗すぎ〜、って感じ。
(この暗さが快感?)
最初に「荊の城」を読んだのは正解。
(両方をあらかじめ購入していた)
先に「半身」を読んでいたら、「荊の城」にすぐ進めなかったかもしれない。
やっぱり元気なキャラで最後カタルシスがあるのがイイ!
本格ミステリーファンは「半身」の方を気に入ってるみたいだけどね。
私の趣味では逆である。
まぁ、未読の方はとりあえず両方読んで比べてみましょう。

PS
原題は"affinity”である。
「相性」「類似点」「好み」って意味。
「半身」のタイトルの方がいい。
「荊の城」もそうだが、この訳者、日本語タイトルをつけるのが上手い!
感心しました。
文章もgood。


2005年3月13(日曜)曇り時々雪
「問題な日本語」が人気。

例えば・・・
「おビールをお持ちしました」
「こちら和風セットになりまーす」
「ご注文は以上でよろしかったでしょうか?」
「わたし的にはOKです」
「すごいおいしい」
「全然いい」
「なにげに」
・・・何気なく使用している言葉を取りあげ解説。

詳細は大修館のHPにて。
「目つきの鋭いモンニチきつねのスクリーンセーバーももらえる。
http://www.taishukan.co.jp/
また、いのうえさきこの「ことのはマッスル」もおもしろい。
http://www.yz-net.com/inoue/

話は変わって、上方落語協会のHPも紹介。
http://www31.ocn.ne.jp/~kamigatarakugo/


005年3月12(土曜)曇り時々雨
DVD「フレンズ・ナインシーズン」(4)〜(6)発売。
予約を入れて購入。
このシリーズ次回の10シーズンで終了。(残念)
でも、この終わり方で大丈夫?、って思うくらいな意外な終わり方。
これで、次の最終シーズンの収集がつくのでしょうか?
(終わり方はだいたい予想してるんだけどね)
来年のDVD発売までガマンでしょう。
(ああ、待てない!)


2005年3月11日(金曜)雨

児童書の書評欄が良かったので紹介する。
http://www.sankei.co.jp/news/book.htm
殊に、翻訳家・三辺律子さんによる「イルカの家」の紹介がすばらしい。
紹介文を読んで「読みたい!」、って気分になった。
さっそく取寄せることにする。


2005年3月9日(水曜)晴れ
「森で出合う」JAFMATE社
動物写真集である。
JAFの表紙をご存知だろうか?
ここんとこずっと動物写真。
それを集めたのがこの本。
「待ってました」、って感じ。
見てるだけで、にっこりである。
ちなみに市販はされてない。
直接JAFに申し込みましょう。
http://www.jafmate.co.jp/

2005年3月2日(水曜)晴れ
「ホムンクルス」(5)山本英夫
2004年版の「このミス」の表紙絵・・・気づきましたか?
山本英夫氏である!
ミステリ界でも人気か?

話は変わるけど、荻原規子さんの最新作「風神秘抄」の出版は5月頃の予定。
とても楽しみ。
昨年の夏から待ってるんだけどね。
あと少しの辛抱。
表紙絵は、勾玉シリーズと同じく、絵本作家いとうひろし氏らしい。
こちらも楽しみ。


2005年3月1日(火曜)晴れ
「荊の城」(上・下)サラ・ウォーターズ(創元推理文庫)


海外ミステリー、ってすごい!
奥が深い。
日本も最近レベルが上がったと思っていたけど、
こういう作品を読むと、「やっぱり負けてるかな?」、って思ってしまう。
昨年2004年度のbPは「ダ・ヴィンチコード」、って言ってたけど、それも撤回する。
「荊の城」がナンバーワンである。
久しぶりに残ページが少なくなるのがもったいない本である。
(当然“ページターナー”より上)
面白すぎる!

英国ヴィクトリア朝のロンドンから舞台は始まる。
ほとんどディッケンズの世界。
学生時代に読んだ「オリバーツイスト」「デヴィットコパフィールド」を思い出す。
そこから舞台は移動し、荒れ野の広がる古城が舞台となる。
ヒースと聞くだけで、もう「嵐が丘」、って感じ?
こうなると、英文学の知識が総動員されてくる?
女性キャラの造形が「自負と偏見」(J・オースティン)、「ジェイン・エア」(C・プロンテ)と重なったりして。

さて、この作品は3部構成。
1部ではスウが語り、2部はモードが語る。
3部では再びスウが語る。
ドラマは2転3転する。
いったいどうなるんだ?、って感じでノンストップ状態。
殊に、第3部は(夜中に読んだけど)目が冴えまくり。
登場人物がブランデーを飲む描写が多いので、私もつられてVSOPを飲みながら読むのだが、
いっこうに眠くならない。
ますます、コーフンの渦に巻き込まれていく。

未読の方のために詳細な説明は省略。
結末についても触れない。

PS(1)
ロンドン下町が舞台だから、もし映画化されたら、「マイフェアレディ」みたいになるのか?(つまりコックニー)
スペインの雨は主に広野に降る・・・?
ピストルズのシドやジョニーみたいな連中ばかり集まったりして。
ゴッドセイブザクイーン・・・?

PS(2)
デインティの「金貨」を思い浮かべるだけで泣けてくる。
今回つくづく「長生きしてよかった」って思った。
これが「生きがい」というもんでしょう!
読書こそ「幸せ」でしょう!

PS(3)
原題は「fingersmith」だが、日本語タイトル「荊の城」の方がいい。
なぜか「マリみて」−「いばらの森」を思い出す。
(関係ないか?)



2005年2月26日(土曜)晴れ時々曇り
「神秘家列伝」水木しげる(1)(2)(3)(角川ソフィア文庫)
「猫楠(南方熊楠の生涯)」水木しげる(角川ソフィア文庫)

(1)スウェーデンボルグ、ミラレバ、マカンダル、明恵
(2)安倍晴明、長南年恵、コナン・ドイル、宮本骸骨
(3)出口王仁三郎、役小角、井上円了、平田篤胤
(4)南方熊楠
・・・以上、これだけの異能の怪人・聖人たちを水木流に描画!
面白くないはずがない。
ただただ圧倒される。
晩年の大作。
これらが(手軽に)文庫本で読めるなんて・・・。
(感無量)


2005年2月19日(土曜)雨
「水木しげる伝」(上・中・下)水木しげる(講談社漫画文庫)

1冊500ページで、上・中・下の大作である。
戦争についての、小説やノンフィクションは多いが、
自分の戦争体験をマンガで表現した例は少ない。(現在82歳)
今なお、現役だし。
描画は氏独特のタッチで味がある。
妖怪も怖いけど、どこかひょうきんな雰囲気。
ラバウルでの戦闘シーンが迫力。
死と隣り合わせの毎日。
軍隊内のいびり。
上官から禁じられても、現地の土人との親交を続けた。
その頃から、どこか浮世離れしたところがあったのだ。
世の中の人々が皆、水木しげる氏のようなら、戦争なんか起きないだろう。
「一家に一冊・水木しげる」である。


2005年2月17(木曜)
羽海野チカさんのHPをひさしぶりにチェックした。
なんと「ハチクロ」がアニメ化されるらしい!(今年の春)
アニメ画像を見たが、なかなか丁寧でレベルの高い描画である。
「マリみて」もアニメ化して、ファンが一気に拡大した。
「ハチクロ」もファン層が拡大すること、間違いなし。
しかし、よくアニメにふみきったなぁ。
一般受けするのかな?
それなら「のだめ」もアニメ化してほしい。

こちら、同じ芸能マンガでも、音楽なので、
音が出るアニメだと、値打ちがある。

【参考】
http://www.hachikuro.net/
☆2005年4月14日スタート


005年2月10(木曜)晴れ
DVD「アイ、ロボット」発売
面白そうなので、購入した。
アシモフ原作だし。
(例の「ロボット三原則」の提唱者)
やはり面白かった。
アクションシーンが派手すぎるけど。
もっと抑え気味の方が良かったんではないか?
あと気になるのが、押井守監督の影響が散見される点である。
「ロボット」と「ゴースト」がテーマなんだから、当然か?
(もちろん、押井守監督の方がマニアック)
(その上をいくのが士郎正宗氏。さらにマニアック・・・ついて行けない・・・)


005年2月9(月曜)雨
昼休み、職場のテレビを見ていた。
米原万里さん登場。
チェコスロバキアのお菓子の特集であった。
曰く、「教育と料理は大量生産すると損なわれる」、と。
含蓄のある、お言葉であった。


005年2月7(月曜)晴れ
DVD「フレンズ・ナインシーズン」(1)〜(3)発売。
早速購入。
もう笑いっぱなし!
おなかが痛くなった。
椅子から転げ落ちた。(マジ!)

脚本には毎回感心する。
シリアスになりすぎると、笑いに移行し、
軽くなりすぎると、シリアスになる。
その振幅が絶妙。
名人芸である。

PS
ナインシーズン後半(4)〜(6)は3月発売予定。


005年2月7(月曜)晴れ
「月の輝く夜に」氷室冴子
「Cobalt」2月号が「平安王朝小説」特集である。
氷室冴子さんの名前を見つけたので、購入した。
「文筆活動再開か?!」、と心が逸った。
しかし、よく読むと1990年に書かれたものに、加筆しただけであった。
まぁ、それでも嬉しいけど・・・。
はやく、本格的に活動してほしい。
今は、「ライトノヴェル」ブームだけど、他の作家と一線を画するものがある。
レベルが高い。
その辺の文学作品よりよっぽど文章も内容もしっかりしている。

PS
「マリみて」は別だけど。
「西の善き魔女」も「ライトノヴェル」と思ってないし。


005年2月6(日曜)晴れ
「残虐記」桐野夏生(新潮社)
残虐記








桐野夏生さんの新作。
この作品も「グロテスク」同様、現実の事件を素に書かれている。
新潮社の解説は以下のとおり・・・
『失踪した作家が残した原稿。そこには、25年前の少女誘拐・監禁事件の、自分が被害者であったという
驚くべき事実が記してあった。最近出所した犯人からの手紙によって、自ら封印してきたその日々の記憶が、
奔流のようにあふれ出したのだ。誰にも話さなかった「真実」とは・・・』
タイトルは「残虐記」であるが、R指定になるような「残虐」描写はない。
しかし事件核心に迫る心理描写は秀逸。
(「グロテスク」ほどの毒々しいまでの濃度の高さはないが、1人称での語りのうまさは健在)
多少遠慮があったのかもしれない。
現実の事件当事者たちが、生存されているのだから。


005年2月5(土曜)晴れ
「お父さんは時代小説が大好き」吉野朔実(角川文庫)
「お母さんは「赤毛のアン」が大好き」吉野朔実(角川文庫)

お父さんは時代小説(チャンバラ)が大好きお母さんは「赤毛のアン」が大好き









以前から「そうじゃないか」と、思っていたけど、「やっぱりそうだった」、って感じ。
何が「そうだった」、って言うと、吉野朔実さんがたいへんな読書家である、って意味だ。
上記2冊は、タイトルから解るように書評(あるいは紹介)マンガである。
(知らない方もおられるから、説明すると吉野朔実さんはマンガ家である)
ご存知のように、描画力は定評があり、アートとしてもレベルが高い、と思う。

さて、今回の作品で殊におもしろく感じ、吉野朔実さんらしいと感じたのは、
『友人に薦めてもらった本は、つまらないほど面白い』、って章である。
「本の面白さ」についての基本的な作者の考えが述べられているので、興味深い。
少し引用する。

友人知人が「面白かった」と言って薦めてくれる本は、それだけで付加価値がついている。
それは薦めてくれたその人を読むことなのだから。
“誰にとっても面白い本”は(そんなものめったにないけど)その素晴らしさ故に人をバカにしてしまう危険がある
「面白かったねええ」で、話が終わっちゃうのだ。
「何故これを面白いと思わないのか!?」
「どうしてこれが面白いのか!?」で話が盛り上がるのは意見が対立する場合が多い。
それにしても、思いもよらない本が受けたり受けなかったりするんだなあ。

以上転載終了。
・・・どうでしょうか?(味があるでしょう)
「まさに、そのとおり」、って感じです。
私も友人と本の話をするけど、「面白い作品が重ならない」場合が多い。
また、重なっても同じ感想を持つとは限らないし。
世の中、これだけ多種多様の作品が出版されたら、重なる方が難しい、って話もあるし。
違うから面白いのだ、って感じ。(1冊もダブらなかったら、会話にならない場合もあるけど)

ところで、このHPでは面白くなかった本は書かないし、書いても抑え気味に批判している。
なぜなら、「その作品を面白いと感じた方」に不快感を与えたくないから。
(でも、上記の趣旨を尊重して、これから少しは「批判も出してみようかな」、って感じ)
では、具体的に出してみようか。

【例(1)】
例えば、「ハリーポッター」は面白くなかった。
この作品、映画化されるずっと前に読んだ。
作品が悪いのか、翻訳が悪いのか、打ち込めなかった。
感情移入できない。
「水戸黄門」と同じで、最初から強いエリートが最後(印籠をだして)やっつけるだけ?
そんな印象。
映画もすべてみてるが、途中で眠くなる。(どうして?)
「それなら、観なきゃいい」、って?
でも、気になるし・・・。(小心者?)

【例(2)】
「宮部みゆき作品」って「トヨタ車」に似ている。
75点〜85点くらいの作品を量産するから。
(それはそれですごいのだけど・・・)
でも、(逆に)それが熱烈なファンにはなれない理由。
(世間一般は、圧倒的にトヨタ車市場、ってのも似てる)

【例(3)】
面白かったけど、人に薦めるほどでもない?、ってのが「ワイルドスワン」かな。
取りようによっては「自慢ばかり」、って話も。
でも、文化大革命を詳細且つリアルに伝えた功績は大きいけど。

【例(4)】
「インストール」悪くはないけど、評判をよぶほどでもない。
「子ども」が書いたら、なぜ「みずみずしい感性」になるの?

【例(5)】
「1980アイコ十六歳」忙しい大人がわざわざ時間を割いて読む本なの?
ノートに書いて、クラスで回し読みしたら?

【例(6)】
「劫尽童女」恩田陸さんにしては駄作?

【例(7)】
「ドールズ闇から招く声」シリーズ3作目だけど、1作目、2作目にくらべると落ちたぞ!

【例(8)】
「NANA」ヒロインが嫌いなタイプ。(奈々の方)
「もっとしっかりしろよ」、と言いたい。主体性なさ過ぎ!
「恋」と「発情」に違いがあるなら、このヒロイン「発情」しっぱなしだし。(作品の設定上、仕方ないけど)
ところで、この作品1,000万部を突破したベストセラー。
この作品を(計算ずくで)仕掛けた著者は、才気あふれる百戦錬磨の強者と思われるが、
逆に、(ヒロインに感情移入して)夢中で読んでいる女性を考えると、日本の将来は暗い?


本日、「批判大サービス」、って感じ?
鬱屈してたのかな?
・・・まぁ、これくらいにしとこかな。
(批判メールが怖いし・・・特に宮部みゆきファンは多いし)
次回から、また抑え気味の文章に戻しましょう。
やっぱり、批判的な文章は私には向いてない、か?

PS(1)
実を言うと、吉野朔実さんの作品に関しては、相性が良くない。
10年くらい前に何冊か試したけど、私の趣味ではないのだ。
私が男性だからかもしれない。
(ちなみに大島弓子さんも苦手だし)

PS(2)
吉野朔実さんて夏目漱石さんのファンらしい。
集英社文庫版のカバーはすべて彼女のイラスト。
↓こんな感じ。
三四郎
こころ吾輩は猫である〈上〉










005年2月4(金曜)晴れ
「おおきく振りかぶって」(1)〜(3)ひぐちアサ(講談社)
「こんな野球漫画読んだことない!」、ってのが、オビのキャッチフレーズ。
・・・まさにそのとおり、って感じ。
私が今まで読んだ主な作品と言えば・・・
これらのどの作品とも趣が異なる。
だいたい主人公の性格、内向的で暗すぎ!
でも、これがミソ。
スポーツものの障害は、(当たり前だけど)主人公が体育会系であることなのだ!
物語のメインって、主人公の内的葛藤と紆余曲折である。
体育会系のノリだと、作品にならない場合が多い。
もし「冬ソナ」のヨン様が、体育会系だったらどうだろう?
連続ドラマにならないのじゃないか?
「おおきく振りかぶって」は読者の盲点をついた作品である。(みごと!)
今後の展開が楽しみである。


005年1月28(金曜)晴れ
DVD「LOVERS」発売
早速、購入した。
アクションシーンの映像がすばらしい。
導入部分のダンスシーンもイイ。
チャン・ツィーさんは、もともとダンサーだったと言うから、
映画として力が入っている印象。
ただ、ストーリーに難がある。
無理やりややこしくしてる感じ。
もっとシンプルに娯楽に徹したらどうか?
「グリーンデスティニー」程度のストーリーが無難。
アクションを見せるためのストーリーなのに、無理にややこしくする必要があるのか?
釈然としない。
映像がよかっただけに、残念である。


005年1月23(日曜)晴れ
「大陸をかけるエイラ」(上・中・下)ジーン・アウル(評論社)
これが評論社版の最終巻。
このつづきは、秋に集英社版が出版されるのを待つしかない。
エイラとジョンダラーが太古のヨーロッパをかける。
なんか、だんだん西部劇タッチになってきた。
エイラなんて、早撃ちガンマンである。
(2ヶの石を連射できる)
遠くから槍を投げて、ジョンダラーが縛られている縄を断ち切ったり。
これでワイヤーアクションがでたら完璧でしょう!
(なんのこっちゃ?)
しかし気になるのが濃厚な性描写。
私の思うに女性作家の方が描写が細かく、濃度が高いように思う。
少なくとも、評論社版は「児童書」なんだからセーブしてほしい。
(読んでいてしんどいのだ)
私の願望としてはリリシズムに徹して、叙情派ソフトタッチで流してほしい。
訳者も最初の作品はもっと控えめにしていたように思うが。
開き直ったのか?
まっ、ストーリーが面白いから、いっか?
江國香織さんがこの作品のファンと聞くが、なんとなく納得、である。


005年1月22(土曜)晴れ
「ホムンクルス」(4)山本英夫(小学館)
昨年も紹介したが、『トレパネーション』(頭蓋骨に穿孔して第六感を高める行為)により、
現実に見えないものが見えるようになった男の話、である。
描画力がすごい。
「マンガ」、って基本的に『画』である。
どんなにすばらしいストーリーでも、画が貧しかったり、合っていなかったらダメ。
(画が上手いだけでもダメだけど)
好みもあるし。
(紋切型のアニメタッチは苦手・・・私の場合は)
「ホムンクルス」は、画・ストーリー共に良好で、味もある。
つづきが気になる。


005年1月18(火曜)晴れ
「のだめカンタービレ」(#11)二ノ宮知子
10巻に引き続きフランスが舞台。
指揮者コンクールの行方は?
のだめ、新学期が始まるが、前途多難!


005年1月14(金曜)晴れ
DVD「フレンズ・ナインシーズン」が発売される。
VOL(1)が2月初め、VOL(2)が3月初め。
楽しみ!
これだけ笑いを追求し、持続するのは至難でしょう。
それでいて、下品にもならず、シモネタにもはしらず。
でも、ちょっとエッチか?
メイン女優は皆ムネ大きいし・・・。
(「アリー」と、えらい違いである)
いずれにせよ、これだけ続くのはエライ!
とてつもない才能と努力である。
役者も上手いし。
リサがいい味を出している。
ジェニファーもいい感じ。


005年1月10(月曜)晴れ
「狩りをするエイラ」(上)(中)(下)ジーン・アウル評論社)
集英社版が待てないので、友人から評論社版を借りて読んでいる。
おもしろい!
(さらに、今は続編「大陸をかけるエイラ」を読んでいる)
集英社版はまだまだ出版予定は先である。
たぶん、2月中旬頃の発売?
タイトルは「マンモスハンター」。
こっちのタイトルの方がかっこいい?
(原題どおりだし)
今回はジョンダラー暗くて、嫉妬深いぞ。
その分エイラがかっこいい。
登場人物が沢山出てきて、設定が原始時代じゃなかったら、ほとんど現代小説。
ハーレクインの雰囲気もあり。


005年1月9(日曜)晴れ
「刑務所の前(第2集)」花輪和一(小学館)
花輪和一氏の最新刊。
何とも形容しがたい作品だ。
中世世界、拳銃マニアの世界、ムショの詳細図解が三つ巴となり展開する。
ストーリーはいよいよ混沌としてきた。
いったいどうなるんだ?
オビの「大友克洋推奨!!」の文字が光っている!


005年1月5(水曜)
「ハウルの動く城」宮崎駿監督
遅ればせながら、映画館に足を運んだ。
家族で見に来ている方が多い。
(子どもは、昼に観に来るように。夜は早く寝なさい)
子どもが多い割に、館内は静かであった。

ストーリーは一回観ただけでは意味不明な箇所もある。
雰囲気だけ楽しんだ方がよいのかも知れない。
ただ、「ナウシカ」のような重厚さはない。
「ラピュタ」のように骨太でもない。
「魔女の宅急便」のようにメッセージ性もない。
では、何があるのか?
・・・めくるめく映像美である。

今までのジブリ作品の中でもっとも映像が派手。
原作故か?
作者は、人気のダイアナ・ウィン・ジョーンズである。
あまりに有名なので、ちょっと敬遠している。
でも、いずれはチェックを入れるつもり。
今日は楽しめた。
DVDがでたら買いましょう。



005年1月4(火曜)
「インライブラリー」今野緒雪(集英社)
「マリみて」シリーズ最新刊。
短編集である。
読んでいて感心した。
上手い!若くして名人の域に近い。
キャラクターの造形だけでなく、読ませるテクニックも持っている。
面白さのツボを押さえている。
各短編のツナギも上手い!
「チョコレートコート」が秀逸。
すれ違いと微妙な人間関係と嫉妬。
それがメインストーリーとメインキャラと見事に絡んで、ストーリー全体に深みがでている。
また、この作品だけを読んでも楽しめるようになっている。
「図書館の本」も良かった。
ミステリーの要素もあるし、あたたかい気分にもなれる。
「ジョアナ」はめずらしくも瞳子の一人称による語り。
今後の展開を考えてか、抑え気味な印象を受けた。
あまり描写すると、今後のネタバレにつながるからであろう。


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